#神様だけが知っている
神様だけが知っている
世の秘密
世界の誕生も
人の生死も
未来も
誰よりも永く存在しているから
宇宙も
恐竜も
戦争も
全部知っている
空を見上げても見つからないけど、
どこかできっと皆を見守ってる
特別な存在
辛い時、ちょっとだけ勇気をくれる
優しい存在
ありがとう、神様。
#窓越しに見えるのは
窓越しに見えたのは
綺麗な景色でも
大好きな人でもなかった
反射して映る
いつもの情けない自分だった。
#子供の頃は
子供の頃は、
鏡に映る自分が、ただただ不思議で
おもちゃのイヤリングをつけて
もう1人の自分に向けてピースしてた。
大人になった今は、
鏡に映る自分が、ただただ嫌いで
大きな厚紙を貼って
隙間から覗く自分にバットマークをつけた。
昔は綺麗に見えていたものが、
今ではこんなに汚く見える。
私の中の灯火は、
いつの日か灼熱の炎となって
私の心さえも、蝕んでしまった。
今は嘆くことしかできない
あぁ、あの頃はよかったなぁって。
#日常
何もかも、変わらない通学路
つまらない日常
テレビで言っていた
目線を変えるだけで世界が変わると
そんな大袈裟な。
試しに空を見上げてみた
雲の色が変わるわけでもなかった
ただ、
なんだか面白い形をしていた
次に前を見る
相変わらず人気の多い住宅街
高校生の笑い声が響く
あれ?あんな建物あったっけ?
…何が建つのかな?
…楽しみだなぁ
ちょっとだけ、心が温かくなった気がした。
#落下
1人で歩く、いつもの夜道
切れかけの電灯が点滅している
明かりに集まった小さな虫たちが微かに音を立てながら
何をやってもダメだった
楽しいことなんて、嬉しいことなんて
なにもない
生きる意味も分からなくなる
ふと、今朝のニュースが脳裏に蘇る
1人の子供がマンションから飛び降りて亡くなった
きっとその子も、生きるのに疲れちゃったんだろうな…
正直に意見を言っただけで、批判されて
顔が見えないことをいいことに、暴言を吐かれて
人間の存在が、どんどんいらなくなってって
こんな世の中、生きにくいよ
自宅のアパートが目に入った
そして少しだけ脳によぎる、悪い考え
“この高さなら、ちゃんと消えられるかな?”
この世から去る勇気もないくせに、
気づけば毎日こんなことを考えている
錆だらけの階段を登った後、
自宅のドアの前に立って、下を見下ろした
たぶん迷惑とか、何も考えずに
この夜の闇に落ちていけたらいいのにと