一筋の光
「お姉さん一人?一緒に遊ぼうよ。」
金髪の若い男達に誘われた。
へー、実際にあるんだ こうゆうナンパ。
「あー…私でよければ」
「お!いいの!?」
どうせ家に帰っても予定ないし、
最近刺激もないし付き合ってあげよう。
「楽しいこといっぱいしようね。」
「あーはいはい。」
「テキトー笑」
その後、彼らとゲーセンに行ったり、スポーツの試合を
見たりした。
意外と楽しかった。
最悪変なことをされてもいいと思っていたのだが…
「俺らさ、実は失恋したばっかりでさ…」
「え、そうなの?」
話を聞くと彼らは失恋した者の集まる
『失恋ネット』というネットで知り合ったらしい。
「だから、ちょっとでも気を紛らわしたくてこうやってナンパしてたんだ。」
「でも、答えてくれたのはお姉さんがはじめてだよ〜」
はじめは悪い人達かと思ったが
そうでなかった。
「ありがとー!お姉さん」
「おかげで次の恋に踏み出せそう!」
「…役に立てたんならよかった。」
いつの間にか私はあの人たちの光?に
なれてたみたい。
哀愁をそそる
秋になると寂しくなる。
大切なあの人が亡くなった季節だから。
確かあの日は秋晴れだった。
雲一つない空に、イチョウの葉が舞っていた。
どこか寂しい病室。
私はよくベットの隣にシオンの花を飾った。
あなたが一番好きな花だと知っていたから。
今もきっと天国で見守ってくれてるよね。
今も自宅のリビングに飾ってあるシオンの花を見ながら
そう思った。
いつの間にか、私までこの花が好きになったみたい。
だって、シオンの花言葉は
『あなたを忘れない』だから。
ずっとずっと、大好きだよ。
鏡の中の自分
鏡の中の自分は
とても暗い顔をしていた。
目の下にはくまができ、
頬はたるんで
瞳に光なんてなかった。
こんな自分を見ていると
ますます自分が嫌いになる。
ゴミを捨てるように
くまやニキビも簡単に手放せたらいいのにな。
好きな人ができれば、
少しは変わるのかな?
努力しようと思えるのかな?
これからも生きていたいって
思えるのかな…?
永遠に
永遠
それはいつまでも続くこと。
何千年、何万年…
ゴール地点なんてない。
人生は永遠じゃない。
いつかはみんな星になる。
だから「永遠」はあまり身近に
感じられないかもしれない。
でも、間遠なものだからこそ
面白いと感じる人もいるのかもしれない。
「形のないものだからこそ 本質を知りたい」と
私が幼い頃はずっとずっとみんなと生きたい
なんて思っていたけど
今は、人生は永遠じゃないほうがいい気がする。
みんな不死身になってしまったら
単純に地球の人口や資源が心配になるし
ずっと生きてたら
楽しいことも沢山あるだろうけど、
辛いことも山ほどあるだろうから。
私達が今生きているということは
決して無駄じゃない
「永遠」がもしも形あるものだとすれば、
私達の残してきた人生という遺産は
その一部として永遠に残り続けるから。
理想郷
私の理想郷
それは自分のいない世界。
どこか高いところから飛び降りて、
電池の切れた人形みたいに
簡単に逝ければいいのにな。
でも、もし死にきれなかったら…
体は燃えるように痛くて
心は虚しいだけで
どれだけもがいても、嘆いても
楽になれないんだよ。
そうすれば家族にも迷惑がかかる。
だから私は死にたいけど、死ねない。
誰かを巻き込みたくはないから。
死にたいと思っても
実際に死ぬ勇気なんてないから。
いっそうのこと、
みんなの記憶から私という存在がなくなってほしい。
私なんてこの世に産まれていなかったことに。
そうすれば誰にも迷惑はかからない。
_こんなこと、できるわけないのに。
なぜかいつも考えてしまう。
私の理想郷は
まだこんなにも遠い。