リーベ

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2/14/2024, 1:42:05 PM

「“バレンタイン”ねぇ…」

2月にしては少し暖かい日が差す教室の真ん中でヒソヒソと話す女子に目を向ける。

嬉しそうな顔をしている彼女たちの口から聞こえる潜められた声によって紡がれる話の内容は、どうやら“好きな人”に渡すチョコについてらしかった。

弁当が広げられている机の上に、そのイベントを象徴するものは置かれていない。

『ねぇ。アンタは誰かにチョコあげないの?』

朝、友人に言われた事を思い出して嫌な気分になる。

「何で女から渡さなきゃならんわけ?」

女が男に渡すイベントでなければここまで毛嫌いすることもなかったのだろう。

この先、社会に出れば好きでもない同僚に忖度で渡すなんてこともあるのかもしれない。

腹立たしい。性別をそんなしょうもない事で意識させられなければいけない事に腹が立って仕方ない。

私が俺でも、俺が私でも、世間がそれを許さない事が腹立たしい。

2/13/2024, 12:59:26 PM

「待ってて」

なんて言われても。
目の前で私の知らない人と楽しそうに話す親友を横目に意味もなくメッセージアプリを開いては閉じる。

当然誰からも連絡は来てないし、送ることもない。

ただ、何もしないでいるのは気まずいだけなのだ。

はぁ。何で私と遊びに来ているのにこちらに気も使わず友人と話し込めるのだろうか。

その神経の無さに呆れるべきなのか、図太さに感心するべきなのか…。

まだぁ〜?と視線で訴えても、親友はチラリとこちらを見て、また友人に視線を戻した。

えぇ…。いつまで待ってればいいの…。

仕方なく近くのベンチに座り、足を組みながら親友を眺める事にした。

「待ってるんだけど」