「街へ」
ずっと暗い部屋に閉じこもっていた私を、あなたは半ば強引に外へと出し、街へと連れ出した。
外になんて出たくなかったし出る気もなかった。けれど、あなたと見る、久しぶりの街の景色は新鮮でキラキラしていて、色んなものに目を奪われた。
あなたと一緒でなければ、1人で街へ行くことなどほとんどなかったであろう。
私の手を引くあなたを見る。あなたがもし、いつか、今の私のように傷つき閉じこもる日があれば、今度は私があなたを街へ連れ出したいな。
「優しさ」
本当の優しさってなんだろう。君に差し伸べた手を振り払われた時、思った。
優しいつもりで接しても、相手には棘に感じてしまうこともある。対等に接しているつもりでも、いつの間にか上下関係が生まれてしまったり偏見が入ってしまったり。私が差し伸べた手は本当に優しいものだったのだろうか、それとも君にとっては痛々しい棘だったのだろうか。優しくしたいというこの気持ちですら、誰かを不快にさせてしまうものなのだろうか。
優しさ、というのは簡単なようでとても難しい。本当の優しさとはなんなのか、考え続けながらそれでも、手を差し伸べることを私は諦めたくない。
「ミッドナイト」
きっともう、今日は来ないだろう。そう思っていても、もしかしたらと考えてつい何度も携帯を開いてしまう。諦めて寝ようとしても、どうしても気になって眠れない。
明日も朝早いのに、私は何をやっているのだろうか。
そうこうしているうちに時間が経ち、日付が変わったらもう寝よう、と決めた。
ピロンと着信音が鳴る。差出人は君。届いた時間はちょうどミッドナイト。私の眠れない夜が始まった。
「安心と不安」
安心したのも束の間、すぐに新たな不安が首をもたげて私の心を覆い尽くす。この不安は、尽きることがないのだろうか。もっと安心して安定した心持ちで生きていたいのに、不安は勝手にやってくる。
いつか不安が消えて穏やかに過ごすことってできるのかな。
「逆光」
別れを告げる君の顔が、逆光で見えない。君は本当に私が嫌いになったから別れを切り出したのか、それとも何か別の理由があるのか。君の声に哀しみが滲み出ているように感じたのは、私が都合よく解釈しようとしているだけなのか。
もう何年も君と一緒に歩いてきたはずなのに、君の気持ちがこれっぽっちもわからない。
何も言えないまま、私は君の表情を隠す太陽を、眩しさもお構いなしに睨みつけた。