あなたの瞳に見つめられると、どうしたって体が竦んでしまうのだ。ひたむきさが形を持って現れたようなあなたの瞳は、言葉よりも雄弁で。いつか、この身は焼け切れてしまうに違いない、だなんて。ロマンチックなのだか、バイオレンスなのだかわからない感情が体を支配するのだ。
とてもおそろしくて、そして、それはきっと。
幸せなことに、違いない、と。愚直なまでに、信じている。
テーマ「鋭い眼差し」
空を見上げる。どうしたって届かないもの。人には到達できないもの。……だったのは、昔の話。
技術はどんどん発展して、空はもはや、路のひとつとなった。そうして、空だけでは飽き足らず、人類はすでに宇宙(ソラ)へだって、飛び立っている。
人類はどこまで到達するだろうか。どこまでだって、チャンレンジするのだろう。そういう生き物だ。
手の届かないものに、手を伸ばす。私たちはそういう風にできている。いつだって、求めている。どこまでも高く高く、遥か先の何かを、その手に掴むことを、渇望している。
そういう、イキモノだ。
テーマ「高く高く」
子供にはもうなれない。
もう、あの頃のようにはいられない。それでも。
道端の石ころを宝物のように抱え込んだり、学校のプール下を秘密基地にして冒険してみたり。
どれも大切な記憶。大切な思い出。
あの頃のあたたかな思いを忘れぬように、せいいっぱい、笑ってみる。あの頃と同じ笑みではないかもしれないけれど。
子供にはなれなくとも。
こころはいつだって、あの日々を憶えている。
テーマ「子供のように」
退屈な先生のHRの話しが終わって、チャイムが鳴れば、放課後の始まりの合図。勝負しているわけでもなし、それでも競い合うかのように、ダッシュで玄関口へ。ランドセルを脇に投げ捨てて、一目散に、ジャングルジムへ向かう。
到着が遅かった者が、鬼。いつからかできた、わたしたちのルール。終礼のチャイムと同時に始まるわたしたちの自由時間。一日はまだ終わらない。むしろ始まったばかりなのだ。
燃え盛るようなエネルギーで生きている、命の塊。それが、わたしたち。
テーマ「放課後」
今日は天気がいい。窓から差し込む光は柔らかく、部屋の中をほんのりと暖めてくれている。うっすらと遠目に見える木々は緩やかに揺らめいていて、見ているだけで、葉と葉が擦れ合う音が聞こえてきそうだった。
風に当たったら、気持ちが良さそう。天気もいい。風も緩やか。思い立ち、そっと窓に手をかけて、横に流すとカラカラ……と小気味の良い音が耳を擽る。そのあと、優しい風に煽られるようにふんわりと白のレースカーテンが顔を覆うように被さってきた。擽ったくて、自然と顔が笑みを象った。
ああ、やっぱり思った通り、気持ちがいい。ふわふわ踊るレースカーテンと、ゆったりと揺れるカーテン。それに合わせるように波のように揺蕩う日光を視界に入れてから、そおっと瞼を下ろす。視界を隠してしまえば、頬を撫ぜる風がより身近に感じられた。
今日もいい日だ。
テーマ「カーテン」