お題【モノクロ】
最初の僕の世界は所謂、殆ど『モノクロ』でした。
今思えば、僕の価値観や考えを理解してくれる人が居なかったからそう見えていただけなのですが。
当時の僕は余りにも世界に飽きていたのか。
それとも面白味もないこの世界を嫌っていたからか。
どちらにしろ、僕の見えてる世界で色が付いているのは家族である義妹と本だけでした。
なので、あかの他人である君も最初はモノクロだったんですが。
それを
『それ、面白いな』
『なんでも知ってるんだな、もっと教えてくれ』
『それはこう言う事じゃないのか?』
と、君が面白い事を言う度に、君に色が付いて
そこから、君は
『ほら、お前の空の色だ』
『この空の色はお前と一緒で、優しくて綺麗な色だなぁ』
と、君としては大した事を言ったつもりはないのかもしれませんが。
僕の世界を極彩色の世界に変えてくれました。
死ぬまでずっと、『モノクロ』の世界のままだろうと思っていた僕を、一瞬で変えた君。
そして、こんな僕でも友人と言ってくれる人達に会わせてくれました。
そんな君と、友人達(皆さん)の為だから、僕は命を賭けれるんです。
人間嫌いでも、君や友人達(皆さん)の様な【本当に優しい】人が居るのを知ってしまったから。
悪者だろうと、冷血だと言われようとも、自分の全てを捨て去る事になったとしても。
僕は、彼と友人達(皆さん)の為に、今日も嘘をつくのです。
By とある公安警察官の覚悟と回想より
お題【涙の理由】
———地獄の様な道のりだった
硝子の道を歩いた
骨ばかりの道を歩いた
灼熱の道を歩いた
吹き荒ぶ凍土の道を歩いた
血塗れの道を歩いた
茨の道を歩いた
何度も、何度も
足が痛くて、辛くて、
虚しくて、呪わしくて、
『足を止めたい』
と思った。
何度も、何度も、
苦しくて、疲れて
泣いて、叫んで、
『足を止めよう』と思った。
それでも、足を止め無かったのは何故か。
何故だろう。
足を止める度に、何だか涙が出る。
涙の理由はわからない。
痛いから涙がでてる訳じゃない(いや、既に出てるけれども)
辛いから涙がでてる訳じゃない(いや、やっぱりそれもある)
それでも、歩き続ければ、この涙の理由もわかるだろうか?
それとも、歩き終えたその時に、この涙の理由は分かるのだろうか?
By 滅びを回避した神王の最期の回想
お題【コーヒーが冷めないうちに】
「俺としては冷めてくれた方が嬉しい」
「お前のそれは最早牛乳だろうが。コーヒーの要素何処にあんだよ」
「何言ってんだ、10の比率の内2はコーヒーで残り8は牛乳ってだけだろ?立派なミルクコーヒーだ」
「・・・・・((鼻頭をつまみながら諦め))わかった、そう言う事にしておく・・・・・」
と、言って一口コーヒーを飲んだ後
「で、今回の事件はどう言う事だったんだ?」
と尋ねる。
「そのコーヒーが冷めない内に終わる説明で納得するか?」
「・・・・・妥当だと判断できる設定ならな」
「手厳しー、ま、それもそうか」
「簡潔に言うと、【思い込み】だよ」
「?思い込み?」
「そ。【思い込み】の所為で、今回の事件は起きちまった。それも、1人2人位の思い込みじゃなくて、何十人もの思い込みだから、とんでもない事件に発展したって事」
と言いながら椅子をクルクル回す。
「・・・・・まさか」
「そのまさかだよ。とは言え、俺自身、【何時か、何時でも起きるだろう災害】だとは思ってたし、その対策をある程度《もしも》で練ってて、その内の1つが運良く当てはまった・・・・・正真正銘、《運が良かった》ってだけだよ」
と世間話の様に言うコイツの様子を片目に、またコーヒーを少し飲む。
「・・・・・1番最悪の内容は?」
「世界Lvでの【思い込みの拡散】かな。今回の運の良さの一つが《まだL〇NEとかの身内内だったから》ってのがある。あれだけだったから対処可能だった。コレが白いバツだったり、TTだったり、IGだったら詰んでた。それこそ、【世界的大炎上とかで汚染】されてた」
「・・・・・本当に運が良かっただけなのか」
と、自分自身も考えていた《最悪の内容》をコップにあるコーヒー牛乳モドキをグビグビと飲みながら言う奴の顔を見ながら呟く。
「そう言う事。これ以上考えるのは・・・・・それこそ、コーヒーが冷めないうちの間にやる事じゃないし、時間は足りない」
そう言って、今回の問題を俺が見る限り《アッサリと》解決した特別捜査官のアイツはそう言った。
・・・・・いや、彼らの【思い込み】に纏まって踊らされてた俺が問d
「言っとくが、お前が悪い訳じゃないからな?」
「?何が・・・・・」
「この事件で、手順通りにやったお前に非はない。つーかレアケースオブレアケースなんだ。思い込みに巻き込まれたのはお前の所為じゃないってこと。寧ろ、【思い込みに巻き込まれなかった異常者】が俺だったって事だ。異常者に、捜査一課の連中は着いてこないだろ?だから、お前はお前のままで良いんだよ」
と、アイツは笑って言った。
「・・・・・なら、良いんだがな」
「安心しろ。こう言う、面倒臭い事件の為に俺が居座ってんだからな」
「今度は気を付ける」
意味が無いかもしれないが、己の立場上、そう言うしかない。
「ハハッ、頑張れ。っと、飲み干しちまったな・・・・・おかわりいるか?」
と、あっと言う間に飲み干したコーヒー牛乳モドキのコップを手に、俺に聞く。
「ああ、欲しい。・・・・・ん、少し冷めちまったからな」
と、まだ湯気が立っているコーヒーポットを見て、逆に考え過ぎたのか冷めてしまったカップの中身を喉に押し込んだ後言う。
「了解、まあ、そろそろ冬も近くなっちまってるしなぁ。秋感じなかったけど」
「言うな言うな」
そしてまた、他愛無い日常に戻ったと思えば、
また、このコーヒーが冷めないうちに、またおかしな事件にコイツも俺も、巻き込まれるのだろうと、思うのだった。
By ある捜査一課課長のつかの間の休息と反省より
お題【パラレルワールド】
「えっと・・・・・」
「色々と起こり過ぎて何質問しようか忘れちゃった」
「」
お題【時計の針が重なって】
時計を見ると羨ましく感じるのは、人間ではなくなったからだろうか?
短針と長針、重なる時間は