極解の魔法使い

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お題【モノクロ】

最初の僕の世界は所謂、殆ど『モノクロ』でした。
今思えば、僕の価値観や考えを理解してくれる人が居なかったからそう見えていただけなのですが。
当時の僕は余りにも世界に飽きていたのか。
それとも面白味もないこの世界を嫌っていたからか。
どちらにしろ、僕の見えてる世界で色が付いているのは家族である義妹と本だけでした。
なので、あかの他人である君も最初はモノクロだったんですが。
それを
『それ、面白いな』
『なんでも知ってるんだな、もっと教えてくれ』
『それはこう言う事じゃないのか?』
と、君が面白い事を言う度に、君に色が付いて
そこから、君は
『ほら、お前の空の色だ』
『この空の色はお前と一緒で、優しくて綺麗な色だなぁ』
と、君としては大した事を言ったつもりはないのかもしれませんが。
僕の世界を極彩色の世界に変えてくれました。
死ぬまでずっと、『モノクロ』の世界のままだろうと思っていた僕を、一瞬で変えた君。
そして、こんな僕でも友人と言ってくれる人達に会わせてくれました。
そんな君と、友人達(皆さん)の為だから、僕は命を賭けれるんです。
人間嫌いでも、君や友人達(皆さん)の様な【本当に優しい】人が居るのを知ってしまったから。
悪者だろうと、冷血だと言われようとも、自分の全てを捨て去る事になったとしても。

僕は、彼と友人達(皆さん)の為に、今日も嘘をつくのです。

By とある公安警察官の覚悟と回想より

9/30/2025, 8:01:32 AM