「この道の先に」
東山魁夷の「道」
あなたの教科書には出て来ましたか
何の変哲もない田んぼのあぜ道
だけど眺めていると
無性に懐かしくなる
結局はふるさとの山に帰りたくなる
私はここでも頑張ったよ
頑張って頑張って 疲れてしまったよ
あの絵は 帰り道なんだろうかそれとも
歩いてきた道を 振り返っているだけで
まだまだ先は続くのだろうか
この道の先に
誰かが待っている気がして
また一歩 足を前に出す
「窓越しに見えるのは」
今日 友人と会って
愚痴を聞いて貰ったのだが
自分ばかり喋って
帰って来たら自己嫌悪で落ち込んだ
窓の外には今日1日分の後悔が立っていて
よくもまあ おのれの感情ばかり垂れ流すネと
カーテンに再現映像を映し出し
止める気力もなく
涙すら出ない私の代わりに
過去の映像を逐一チェックしながら
可哀想な奴だと泣き始めるのだった
ねえ後悔
あんたはいつも後ろに立っているから
そりゃあ歯痒くもなるよね
でも今夜は 部屋にあげる余裕はないんだよ
今はただただ眠りたいだけ
胸の痛みを鎮めたいだけ
ここではないどこか
わたしではないあなた
あなたではないわたし
わたしではないだれか
わたしでもなく
あなたでもない
だれかが
何処かにある
ここではないどこかにいる
それを貴方が見ている背中を
ぼんやりと眺めている私
泣きはしまい
とうに気付いていた気がするから
「君と最後に会った日」
ああ 良いね
好きだった人と最初に会った日と
最後に会った日を思い出してみるの
間に 好きになった日も入れたいな
ホットケーキにちょんとのせるバターや
生クリームのように
自分の人生が
ちょっぴり華やかに彩られる気がするな
ついでに嫌いになった日も
食後のコーヒーのように
ほろ苦く思い浮かべよう
最後に会った日は それでも
まだ君の事が
ほんの少し好きだったんだよね
「繊細な花」
「繊細なんだね」
と言われると
ワタシ気になりますアピールして
面倒くさい奴って思われてるのかな
と思ってヘコむくらいには繊細です
いっそのこと
「気にしいなんだね」
と笑い飛ばして貰いたい
そしたら私も一緒に笑って
たくましい花になる
たくましい花は
適なるお水とお日様の光と
優しい眼差しをいただいて
繊細で美しい花になるのです