A question lingers on my lips,
yet fear keeps it locked inside.
I reach for courage, but my hands are empty,
and silence becomes my only reply.

「今日はよく晴れているみたい。」
そう、彼は言った。夜なのになんで分かるんだろうと疑問に思った私を汲み取ったように、彼は言葉を続けた。
「星がよく見える。」
ああ、星か。そういえば月もよく見える。オリオン座しか分からない私は、自分の星座を、目にいっぱいの星を浮かべて探した。
「ああ、天の川まで見える。今日はほんとにいい天気だな。」
彼の言葉わくらい夜に吸い込まれ、晴れの気持ちに取り残された彼は、この世にいつもひとりぼっち。

星に願って

やさしくしないで。誰よりも私があなたのことを愛しているから。

明日に向かって歩く、でも、それでいいんだよと、君が言ってくれないと、私は私を信用出来なくて前に進めないの。

「あたたかいね、君の手は。」

寒い冬の朝、ふとそんなことを思い出す。
彼と過したある冬の日を。

あの日は珍しく、東京にも雪が積もっていた。白い息が出るほど寒く、彼の鼻の頭はトナカイのように赤くなっていた。

あの日は寒かっただろうか。
いやきっと、あの日の寒さは、私たちの心のあたたかさに負けていた。

そんな冬の日が毎日つつけば良かったのに。