「あたたかいね、君の手は。」寒い冬の朝、ふとそんなことを思い出す。彼と過したある冬の日を。あの日は珍しく、東京にも雪が積もっていた。白い息が出るほど寒く、彼の鼻の頭はトナカイのように赤くなっていた。あの日は寒かっただろうか。いやきっと、あの日の寒さは、私たちの心のあたたかさに負けていた。そんな冬の日が毎日つつけば良かったのに。
1/11/2025, 1:42:14 PM