君がこれをいつ読むかわからないが、
いつか届くと信じて書き記す。
君に初めて会った16の春
君は私に殆ど興味がなかった
君が大学生になって私達は親友になれた
君が仕事をやめて私のところへ来てくれた時
本当に嬉しかった
子供が出来た時、君は喜びで泣いてくれたね
もう、離れることは無いだろう
長生きをしよう
時々、旅に行こう
この世界を楽しもう
ありがとう。私を生かした君。
「大好きな君に」
人形。
人に似せたものは人の代わりになる。
それが形代(かたしろ)。
おひなさまの原点だ。
紙で出来た形代に息を吹きかけ
穢れを移して川や海へ流す。
この形代は非常に簡素なもので
人間の姿からは程遠い。
形代はあくまでも「代わり」だからだ。
人間に似すぎてはならない。
流し雛として形を残すこの風習。
流す雛が人間に似せられたのは
昭和になってからだという。
雛人形は貴方の家にあるだろうか。
其れは人に似すぎていないだろうか。
-たった一つの希望-
古代ギリシアの神話では、パンドラがゼウスに持たされた箱にはありとあらゆる災厄が入っていたという。
「絶対に開けてはいけない」
そう言われると開けてしまうのは東西変わらず。
日本の昔話では、浦島太郎が乙姫に渡された箱を開けてしまいお爺さんとなる。
パンドラが開けてしまった箱には最後に「希望」が残っていた。
浦島太郎が開けた箱には老いだけが入っていた。
東の話は救いが無い、と思うだろう。
しかし、一説に竜宮城で遊び暮らした浦島太郎が戻った故郷は300年の時が過ぎていたらしい。
家族もいない、文化も違う。
そうなった絶望を救うのは何か。
そう、玉手箱に入っていたのも希望だったのだ。
渇望とは
希望とは
願望とは
怨望とは
有望とは
本望とは
野望とは
待望とは
つまるところ
すべて。
「欲望」
明日から1ヶ月の休暇だ。
思い切って妻と二人、世界一周の旅に出ることにした。
豪華客船での旅行に妻は何ヶ月も前から年甲斐もなくはしゃいで、あれやこれやと準備している。
そんな姿を見ていると若い頃にスキー旅行へ出かけたのを思い出してしまった。
金もないのに弾丸旅行をして、汽車にひたすら揺られる旅立ったのに妻と一緒なら何でも楽しかったものだ。
さて、私も準備をしよう。船の甲板は暑いだろうから久しぶりに麦わら帽子でもかぶってみるか。
と、いう妄想をしながら残業をしている。