10/27/2023, 11:44:29 AM
紅茶なんて久しぶりに飲んだな、と言う。こんな味だったか、と言う。あーぬくい、と言う。どうやって淹れんの、と言う。香りが飛んでしまうほどに重なる言葉が、もたらされる時間が、こんなにある。どれもこれも誰かにとってはくだらないのだろう。カップはまだ温かい。何度でも。何度でも淹れよう。
10/26/2023, 11:17:16 AM
愛に依らずして立つ言葉を組み上げて、君との間にバベルの塔を再び築こうとあなたは提案する。塔の最上で愛の言葉を砕いて撒こう。何度も懲りずに生まれ出る愛の言葉をいつまでも砕いて撒こう。地上の愛の言葉を無限に撒いて、ご覧、ここから見える星はすべて愛の骸だよ。
10/25/2023, 3:31:22 PM
私の不義理と至らなさで疎遠になってしまった君を見かけた。ゆっくりとした足取りで、子の手を引いて歩いている。あの足取りを選ぶような優しさを、慈しみを、私は持つことができるだろうか。
10/24/2023, 1:08:44 PM
何の問題もありません。お気になさらず行ってください。早く行ってあげてください。私は追々向かいます。この瞬間が今生の別れになったとしても。それでも追々向かいます。あなたと共に歩くにはこの足に履かせる靴がありません。この心臓も満足に動きません。それでも追々向かいます。
そのすべてを無言の瓶に詰めてこの川に流す。同じ川に二度と入ることはできない。その事実にすべてを賭けている。今からあなたのもとへ向かう。裸足で向かう。行かないでという言葉はこの胸に杭で打ちつけてある。だからまだ心臓は動く。これだけがわたしの生者としてのよりしろである。
10/23/2023, 10:41:16 AM
ここであなたは生きていけませんでした。曇天を探して、雨天を探して、嵐を探して、誰も預かり知らぬところへ行ってしまいました。この青によって失った温もりを、どうして忘れろと言うのです。