いす

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10/9/2023, 11:18:22 AM

楽しいんだよ。隙間がないほどにお前の体を抱えて、お気に入りのソファに沈み込んで、お気に入りの曲を爆音で鳴らして、心音がからだのなかでふたつになって馴染んだ頃に朝が来て、また分かたれる、その瞬間が。おはよう、とお前の声で聴くその瞬間が。何にも替え難いお前と他人のまま寄り添えるその体温が。

10/8/2023, 11:52:55 AM

爪を研いでいる。滑らかに。何者も傷つけないように。粉になった肉片があなたを埋めていく。昨日を振り返り、明日を勘定する。心のいまをそうして向こうにおいて、肉体はあなたを労わるような態度で、明日の準備をしている。これがあなたの休息である。愚かで愛しいあなたの休息である。

10/7/2023, 1:11:57 PM

それしかできない。私の小指はあなたとの約束を切るためにとうに失われていて、こめられる力は僅かだけれど。それでもいい?この力で足りる?あなたをここから引き上げるために、他に何が必要?

10/6/2023, 12:12:12 PM

10年前のあなたが綴ったテキストがwebの海を漂流している。あなたは時折それを探しに行って、覗き込んで、まだ生きているあなたともう死んでしまったあなたを確かめている。この気持ちはまだここにある。この気持ちはもう底の底に沈んでしまった。愛などはどうにも潰えない。悲しみは外観を変えてはいるもののやはり本質は同じような気がしてしまう。何体ものあなたを水葬しているのに生者はまだこんなにも多い。君はどうだろうか。君も同じだろうか。深く暗く柔らかい水底で、あなたと君は手を繋いでいる。

10/5/2023, 10:56:10 AM

夜半を過ぎればあれは咲く。そうだな、星座に見立てていただいても良い。真実にも寿命があるらしい。わかっているような顔をして、恋人のような顔をして、未来のような顔をして、この身に居座っている。あふれるだけのゆるい光が、あれの輪郭をどうにも煙に巻いて、私にいつまでも空を見上げるだけしかさせてくれない。

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