無い物ねだりで出来上がる欲が
今日も宙に浮く
本当のことを言うと
僕は不完全じゃない
完成形であるのに
無い物を求めてしまう
自分自身で不完全を作る
多くを求めては自分を貶して
頂点を崩し、自分を下げる
辿り着くことはないだろう
あぁ
不完全な僕の完成だ
『好きな人と
たまたま同じ香水だった』
2人で並んで歩いている時に言ってきた
その香水をつけながら
つける?なんて笑いながら
都合が良いこの瞬間も
見ないふりするこの想いも
全部全部知ってるくせに
全部全部、置き去りのまま
そんなこんな考えながら
されるがままに君が僕の腕に染みつける
君と同じ匂いだ
君の好きな人と、同じ匂いだ
脆く儚い
いつ崩れ落ちてもおかしくないものに
忘れられない記憶なんて
植えつけないでほしかった
もう、手遅れだよ
君の香りに包まれてしまった
笑い飛ばせぬ時もある
憎しみに満ちる時もある
嘆くが届かぬ時もある
力不足な僕には
きっと何もできはしないが
溶かし込まれた君の泪を
落とし込まれた君の雫を
佇み、少しだけ拾わせて
雨に乗せて、僕に届けて
日記は基本続かない
続かないはずなのに
1日の終わり
君とどんなことがあったか
何を話したか
喜怒哀楽が表情豊かに顔を出して
不思議と毎日頭の中に記されていく
定期的にやめようとする
タイミングが良いんだか悪いんだか
必ずと言って良いほど
そういう時に限って
君からのコール
本当に腹立たしい
呼ばないでくれ
ズルズルと
私の日記帳は
今日もまた、明日もきっと
まだ、記されていきそうだ
溢れた日々を
成せてしまうその強さを
塞いだ
ただただ現実に身を任せ
日々を生き急ぐ
強制的に受け入れさせられ
今になって気づく
“特別”だった“当たり前”
あの頃の従い続ける不自由さも
勝てるはずのない精一杯の無力な抵抗も
放棄していた寸暇すら
実は幸福だったのかもしれない
やるせなさを抱えて
ひたすらに今日も息する