空恋
恋の色とは何色だろう
若い恋を青春なんて言うけど
夏の恋もまた澄んだ青なのかもしれない
波音に耳を澄ませて
僕の家は先祖代々埼玉人だ。きっと勾玉を作って暮らし、田畑を整えて、時に台風や竜巻の被害に遭いながら脈々と続いてきたのだろう。
そう思えば僕はなんだか手先が器用な気がする。きっと太古のご先祖が勾玉作ってたんだろうな。もしかしたら武蔵国でもなんかの職人だったかもしれない。
自然が豊かで山も森も飽きるほどあるし川の水は超きれい。天下の東京が近いから流行りものが流れてくるのが早い。
そして日本人らしく美味しいものを食べることに執着めいたこだわりがあって、特に埼玉人はもちもちしたものが大好きだ。
もちもちしたものが好きじゃない埼玉人もいるかもだけど、今は置いておいてほしい。とりあえず総(すべ)ての埼玉人はうどんブームもしくは餅ブームを通ると思う。後で主語がでかいと怒られるんだろう。
前置きが長くなった。
自然あり都会(?)ありグルメありのこの埼玉、
どうしても許せないことがある。
海が、ない。
海ってやつはキラキラしていて、塩辛くて、波が寄せては返すのが最高らしい。あと風が固いって聞いた。固い風とは?
若い人たちがこぞって日差しの下に行き、ウキウキの浮き輪を持ってプカプカ浮かぶのが良いらしい。
一部ピンと来ないけど、なんかうらやましい。
僕の欲しかった青春は、夏は、これなのかもしれない。
もし海に行けたらアヒルさんの浮き輪を海の家というところで借りて、プカプカ浮くのだ。
素敵な波音を聞いて、友だちとくだらない話をしながらゆったりと眠りの世界に行く。
う〜ん、最高だ! いつか叶えるぞ!
青い風
今日はたったひとこと。
サッカー!
遠くへ行きたい
時々、全部が煩わしくなるときがある。
仕事もきらい、上司もきらい、住む街も嫌なところばかりが目について、友だちにもなんとなく会いたくない。
誰も私のことを知らないような、まっさらな「私」に戻っていちからやり直したい。
こういうの、リセット症候群って言うんだっけ――
私は旅行会社の軒先に置かれたパンフレットを手に取る。
素敵な温泉、景色、ホテルの写真をぺらぺらと眺めて、まあ、コレくらいだよね。なんて諦念を含みながらカバンに仕舞った。
クリスタル
きらきらしたものが好きだ。
光を受けて虹色に輝くクリスタルなどはその最たるものと言える。
窓にぶら下げるものも勿論置物も素敵だ。
こいつは床や机にもたくさんの反射した光粒を散らし、空間を華やかにしてくれる。
透明感が涼やかで、この時期には良いのかもしれない。
気になるのは陽を受けて机の上が燃えないかってこと。