「欲望」 #03
飲みたい。
切りたい。
消えたい。
死にたい。
これは欲望?これでボクの心は満たされる?
ア、分カッタ。
ボクノ本当ノ欲望。
「あっ、はは!ハハハハハ!!!」
何かが壊わレる音がしタ。でも、モういイよネ?全部、全部、全部、ゼーンブ!
「終ワルカラ。」
「…この世界にもう二度と生まれてきませんように。」
「ごめんなさい。生まれてきて。」
「ちゃんと償うから、許して。」
「ごめんね。叶。」
グシャ
???「男が飛び降りました。最悪な音がなりました。死体をみた人はこう言います。」
「全身が変な方向に曲がっていて、内蔵も、骨も少し見えていた。」
???「と、きっと痛かったでしょうね。だって、」
???「彼が飛び降りたところは、断崖絶壁。石も鋭く尖っています。」
???「なぜこの場所を選んだのかは、私には分かりません。ですが、ここから飛び降りたということはよほど追い詰められていたのでしょうね。ふふふ。」
「遠くの街へ」 #02
「……嫌だなぁ…。」
積み上げられた段ボール箱を見て、もうそろそろここを出ていくと言う現実が私に押し掛けてくる。ここは一番の思い出がある場所で、絶対に離れたくないと思っていた家だった。でも、しょうがない。受け入れるしかない。受け入れたからこうやって荷物をまとめているんだ。
「よし。後は……」
今日は2/24日。私と彼の……結婚記念日。でも、午後11時を過ぎても、彼は帰ってくるきがない。分かってた。薄々。気づいてた。探偵さんに調べて貰った。結果は真っ黒。信じたくなかったよ。でもね、そうだよね。私になんて飽きちゃうよね。じゃあ、もう、いい。貴方が私を必要としてくれないなら。私も貴方を捨てたげる。だから今日、私の荷物を全部まとめてここから去る。
テーブルには私の欄は既に記入されている離婚届と、「さようなら。新しい奥さんとお幸せにね。」と書かれている手紙だけ置いて、私は彼が絶対に来ない遠くの街に引っ越す。
「私達どこから間違えたんだろうね。」
そう捨て台詞を言って私はもう二度と訪れることはない。彼との思い出のアパートを去っていった。
「君は今」 #01
「…………」
暇だ。とてつもなく暇だ。そう思いながら、煙草を手に取り、火をつける。
成人してすぐに始めた煙草。最初は吸ってたらかっこいいからという気持ちで始めたのだが今となってはこいつがいないと落ち着かないほどにまで来てしまった。我ながらヤバイとは思っている。そういえば、今日は俺が高校を卒業した日だな。あ~……前みたいにあいつらとバカやりてぇな……高校卒業してあいつらは何やってんのかな。高校。あいつらのこともそうだけどやっぱり一番思い出なのはお前だな。お前とは喧嘩別れしちまったから…謝りたくても謝れねぇわ…あ~あ……お前は今何やってんのかな…俺は煙草が吸い終るまでずっとその事を考えていた。