『最初から決まってた』
いつか別れが来ることは、最初から決まってた。
始まりがあるから、終わりがある。
終わりがあるから、始まりがある。
何かを得ることで、何かを失う。
何かを失うことで、何かを得る。
大事なのは、始まりと終わりの間をどのようにしていくかということなのだろう。
きっと、その過程が、別れの結果となるのだろうから。
『太陽』
久しぶりに、
手のひらを太陽に透かしてみようかなって思った。
『鐘の音』
カーーン
で、しょんぼり
キーンコーン
でも、照れ笑い
キンコンカンコン キンコンカンコン キンコンカーン
で、大はしゃぎ
我が家の夏の昼食の定番の素麺を啜りながら、テレビの中の大人達ののど自慢をボッーと見ていた長閑な日曜日。
隣の家からも、のど自慢の鐘が聞こえる。
あの頃は、「あぁ、はやく大人になりたい」って思っていたけど、
今では、時間がのんびりゆっくり流れた少年時代に戻りたいなぁ。
『つまらないことでも 』
あなたにとっては、つまらないものでも
私にとっては、とても嬉しいこともある。
私にとっては、つまらないものでも
あなたにとっては、楽しいことなのかもしれない。
もしかしたら、つまらないものなんてないかもしれない。
だって
世紀の大発見や発明、記録って
私からしたら
つまらないことを
つまらないぐらい
つまらないだけ
つまらないほど繰り返した果てに
得られた結果が、多そうだから。
でも、やっぱり、自分にとっては、
つまらないものはつまらないから、
つまらないまま。
進歩の無い私は、そう凡人です。
『目が覚めるまでに 2』
妻の枕元にそっと誕生日のプレゼントとメッセージカードを置いてみた。
今年は、仕事で朝早いため「誕生日おめでとう」とは伝えられない。
枕元にプレゼントって、何十年ぶりなのかな?
どんな反応なのかな?
びっくりするかな?
喜んでくれるかな?
季節ハズレのサンタクロース。
ワクワクしながら、家を出る。
『目が覚めるまでに 1』
目が覚めると周囲は薄暗い。
トントントントンと小気味いいリズムで聞こえてくる。
寝ぼけまなこで、台所まで目を擦りながら歩く。
「あら、〇〇ちゃん。もう起きるんかい? まだ、早いからゆっくりしてきい。せっかく遊びに来たんだから、ばあちゃん家では、布団でまだゴロゴロと横になってていいんだよ。お母さん達もまだ寝てるから大丈夫」と割烹着姿のばあちゃん。
言葉に従い、台所を通り過ぎ、トイレを済ませて二度寝をする。
盆休みの帰省で母の実家に行くと、朝はいつも煮干し出しの味噌汁の良い香りがしていた。
昭和、平成初期では、ありふれた朝の光景。
令和。私も大人になり、朝食も作るが、トーストと目玉焼き、ウィンナー、サラダで手一杯。
ましては、日が昇る前から出汁から味噌汁を作り、魚を焼こうなんて考えられない。
ばあちゃん、
朝早くから、皆が目が覚めるまでに食事の支度をしてくれていてありがとう。
ばあちゃんの優しさをふと思い出しちゃいました。