ずっと正直でいられる人などいない
気を遣って空気を読みながら
正直さなど必要のない世界を生きる
理想的に生きられる世界などどこにもないのだ
それでも私達は時代の流れに乗って
時には笑って泣いて生きている
どこで何をして生きていくかに正解などない
常に完璧を求め正直でいる必要などない
大切なことは心が動くことだ
そしてその心の動きと向き合うことだ
もうすぐ梅雨だ
心の中と外の景色が重なる
不思議と気分が落ち着く
暗さの中の優しさは温かい
忘れられない人のことを思い出していた
会えないから会いたくなる
降っても降っても晴れない空が
私の身体を包み込む
そろそろ手放したい
私はもっと身軽になれるはず
でも雨が降る度に思う
この憂いはきっと手放すべきではないと
無垢なものは傷つきやすい
無垢でないものは傷つけやすい
でもきっと
無垢はどこまでも強くなれる
そんな可能性を秘めている
今日泣いていたあの子は
私の目には無垢の塊に見えた
きっとずっと先に
あの子が誰よりも強く明るく生きていると
私は確信している
終わりなき旅が終わった
私はまだ何かを探している
永遠と呼べる何か
純粋無垢な何か
私はあの頃から何もかも変ってしまった
変わらない人などいないのに
変わらないものなどないのに
そうとも知らずに私は
終わりなき旅を始めたのだ
「ごめんね」の代わりに「ありがとう」と言えた
その頃の私は誰にでも自然な笑顔を見せられた
そんな自分を好きでいられた
いつのまにか私は疲れた顔をしていた
挙句の果てには
うまく言葉が出てこなくなった
私には「ありがとう」と言いたい人がいる
いつがいいのか、どうしたら自然か考えて
結局わからず今日も目を逸らす
明日こそは言おう
言えなくてもせめて
笑顔で目を見つめよう