優しくしないでと言われるほど
誰かに優しくしたことがない
私は優しくない
それは自分でもわかっている
私は自分に嘘がつけないから
嫌いな人には優しくなれない
最近は憂鬱な気分になることばかりだ
後ろの席の子に優しくしない私は
薄情だと思われた
後ろの子はいつも友達に私の愚痴を言う
私は聞こえない振りをして内心傷ついている
優しくしてもしなくても
口が減らない人間には
私は絶対に優しくしない
みんなが笑っている時に笑っていないと
みんなが話している時に話さないと
カラフルな場所にはいられない
これはずっと私を疲れさせる
暗黙のルール
承認欲求しかない同級生達は
私を彼らの色に染めようとするか
私を排除しようとする
誰かの承認欲求に利用されるくらいなら
私はひとりでいたい
誰からも好かれたくも嫌われたくもない
そんな私は何色なんだろう?
はっきりとはわからないけれど
カラフルな世界では馴染めない色みたいだ
何年も前のお話
そこには私だけの楽園があった
そこには私が好きなものしかなかった
そこには暗い過去の悲しみもなかった
家も公園も学校も私の楽園だった
ここ最近のお話
私だけの楽園はとてつもなく小さくなった
私の楽園の開園時間も大幅に縮小した
家が檻のように感じられる日もあった
学校ではうまく馴染めず疎外感があった
公園に行く暇などなかった
私の楽園を広げたい
何も深く考えない時間を増やしたい
少し疲れたら少し休みたい
すべてあの頃に戻ることは叶わないけど
もう一度自分らしさを取り戻したい
あの刹那で
私はあの子のことが大嫌いになった
どれだけ長い時間を共に過ごしても
絆というものは一瞬でなくなる
あの子は自分のためにしか生きれないのに
いつも人のために生きている振りをする
自分が言われたくないことを
他人には平気で言える
あの子のことを甘やかす大人も腹立たしい
私はあの子みたいになりたくないし
あの子の友達でもいたくないのに
あの子は私のことを唯一無二の友達と言った
くだらない友達制度はもう終わりにしよう
私はあの刹那でそう誓った
生きる意味は知らないけど
まだ生きていられるから生きている
あなたに出会った時
あなたが笑った時
あなたが私の名前を呼んだ時
私は生きていて良かったと思った
あなたが泣いた時
あなたが悩んだ時
あなたが私の言葉を必要としてくれた時
私はあなたのために生きていると思った
生きる意味などあってもなくても
私はちゃんと生きていられる
今日もあなたが生きていられますように