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7/28/2024, 8:11:52 PM






20回目の夏。
私はもう、大人になってしまった。貴方は大好きだったけど、私は未だにメロン味のかき氷が苦手だった。


あの時から、3度目の夏祭り。
貴方は、夏の風にさらわれたまま、私を、置いていったのだった。
メロン味のかき氷は、もはや熔けて、ただの液体になっていた。

7/27/2024, 5:52:14 PM






夏休み、父親の実家近くにある小さな遊具が少しある公園で1人ベンチで漫画を読んでいた。

こんな所、子どもなんて通りやしない。幼ながらどこか黄昏ながらセミの鳴き声と、どこかで流れている水の音を聞いていた。。




突然 砂利をふむ音、小さなすべり台を登る音が上から新たに聞こえてきた。
見上げた先にいたのは、この後どれほど離れようと恋焦がれるきみで、あの時きみは そう 神様が舞い降りてきたように昼間の太陽の後光を抱え、耳に通る美しいその声でこう言った



「ねえ!ねえ!君! 名前!なんていうの?」



神様は、愛おしい笑みを浮かべながら、此方を見つめていた。

7/25/2024, 5:20:26 PM

鳥かご


このかごの外側が、どれだけ雨風強い場所だろうと、自分よりもどれほど大きい敵がいようと、それでも君は、ここを抜け出して、前に飛んでゆきたいのかい。