人の記憶はどんどん新しく刻まれてくだろ?
だから古いものは重ねられた記憶に埋もれて
沈んで、光が届かなくなって、見えなくなって
忘れられていく……
だから新しい記憶に埋まってもまた出会えるように
新しいうちに文字に起こす
それが記録だ。
だから君の未来の記憶たちに負けないように
このビデオを残すよ。
見た目、声、匂いと順番と消えていくらしいが、
これなら嫌でも全て感じられるね。
いつか人は忘れるものだが、もう少し抗ってくれ。
酒を交えられる歳になるまではな。
約束の時を越えて越えて越えても
君の全ては重ねられてく記憶から
鋭く鈍く光っている
深く刻まれた記憶はもう消えない。
僕の犯罪の囮になるために廃人に化けた君は
勿論政府に殺された
君のために手を汚したのに
君を失って洗い流されるなんて
君の好きなだったウイスキーを飲んで今日も
ビデオを見返し上書きし直す
無機質な瓶に支えられ
ただ美しく孤独に咲く君は
一輪の花のように美しい
だが君は支えてくれてる
存在に気づいてない
私のような……無機質な
平凡な存在に
だが1人で孤独で
上に手を伸ばし続けて
咲くからこそ君は
美しいんだ
どんなに醜い感情も
不安も
怒りも
恐怖も
憎さも
閉ざした心も
諦めも
束縛も
拒否も
憎さも
君の胸の中に飛び込めば
魔法みたいに消えてく
自分は幸せ者だと
錯覚させてくれる
辛いことなんて
嘘みたいだ
愛してるよダーリン
君の温もりは
優しい瞳は
私にとっての
飛びっきりの魔法
君とみた虹はとても美しかったのに
今見る虹はどれも濁ってばっか
ひそかなおもい
確かに私たちは相思相愛だけど
私の愛する部分は少し的外れのようだ
君は私のあどけない笑顔が好きなんだろう?
でも私は嫉妬に狂いそうになっても
私のことを思うと感情的に動けなくて、
苦しんでいる君が好きだ
大丈夫……
この思いはひそかに胸にしまって
お墓まで持っていくから
君に知るられると捨てられんじゃないかと怖いよ……、
多分これが本当の思いだ……