Lacryma

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5/1/2025, 2:03:32 PM

「明日は遂に歴史に刻まれる瞬間となり

そして、私の最期の日でもあるだろう」

そう言い放った貴女の瞳は

覚悟と揺るぎなき信念に満ちていた

でも、その覚悟の裏にある恐れと憂いを

私はずっと知っている

「怖いのか、貴女が向かわんとする死の先が」

私が問うと、貴女は微笑んで頷いた

「怖いさ。私のように反乱を率いたものは

きっと天に迎え入れられることもない」

こんなに泣きたくなったのはいつぶりか

人々を救おうとした貴女の想像する未来が

あまりに報われないものであるように感じて

「天国は遠く在るものだ

近くに在っては皆すぐに行きたがってしまうだろう」

口をついて出た夢物語に己が呆れたが

「その通りだ」と笑う貴女に、私は心から祈った

願わくば、遥か先の平和な未来で

貴女が全てを忘れて幸せに生きられるように

それが、風とともに自由を謳う貴女への

唯一の手向けだっただろう

4/30/2025, 2:31:39 PM

貴方は私の憧れだった

だから貴方がいなくなった後

ずっと貴方の軌跡を追った

最後まで貴方に届くことはなかったけれど

私はそれで幸せだった

憧れは憧れのまま

二度と貴方に追いつかないままで

ずっと理想を探していた方が幸せだから

4/29/2025, 5:38:56 PM

太陽みたいに暖かくて

いつも私を助けてくれる貴方のことが

私は好きになれなかった

貴方はきっと皆に愛されていて

皆に必要とされていて

それを思い出すたびに

私は特別になれないことがわかっていたから



貴方はいつも私を惨めにさせた

私はずっと貴方を追いかけ続けて

だけど貴方はそのことに気づきもしない

それでも貴方を嫌いになれなかった

だって貴方は私がどんなに過ちをおかしても

いつだって月のように優しくて

慈愛をもって、私を許してくれたから

4/28/2025, 9:32:32 AM

先の見えない闇の中で

ふとした瞬間に思い出してしまう

不安も悲しみも

全てを忘れさせてしまうような

眩しくて暖かい貴方の優しさを

4/23/2025, 4:18:20 PM

私たちの王は独裁者なんかじゃない

ただ、今の時代を終わらせるこの革命に

巻き込まれただけの不運な人なのだ

だからこそ私は、例え全てを失ってでも

主の命だけは守り抜くと誓った

きっと貴方は反対するだろう

王とは自らが治める国と共にあるものだと

民によってこの命が終わるのなら

きっとそれこそが相応しい最期なのだと

ならば私は一人の国民として

国王をこの国から連れ出してみせよう

ここから離れたらどこへ行こうか

来世というものがあるのなら、自由を望むだろう

そう言って笑ったかつての貴方の憧れを

他でもないこの私が叶えてみせるのだ

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