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7/10/2025, 4:39:45 AM

「届いて…」(全て一行詩)

Wi-Fiが届かぬ離島から通販注文

Wi-Fiが届かぬ離島からの電子手紙に「元気です」

意図も簡単に連絡不通になってしまうメール

季節毎に送られてくるはずの手紙は今年は一足擦れて


7/9/2025, 12:14:07 AM

「あの日の景色」(詩)

幼少時に見た景色
小学生時代に見た景色
中学生時代に見た景色
高校時代に入った途端に目の前の景色はがらりと変わった

何かが変わって
何かが変わってない

少しずつ変わっていく風景に
少し寂しく感じていたのに
がらりと変わった

がらりと変わりすぎて
元の風景を思い出すにも
何が変わって
何が変わってないのか

まるで間違い探しのように
あの日の景色の記憶を探す

あの日に
あの年齢の時に
見ていた
あの日の景色はここにあって
あの日の景色はここにはない

7/8/2025, 3:05:39 AM

「願い事」(全て一行詩)

願ひ事 願ひ事ならず 白紙が揺れる

願ひ事 金平糖並べて 真ん中に短冊を

七夕近し 逢瀬願い 満つ時

7/7/2025, 5:28:02 AM

「空恋」(一行詩)
空梅雨に蛇の目傘出番なしと我が心
空梅雨に君に笑顔なし片想い

「波音に耳をすまして」(一行詩)
波音の野蒜浜に遠い記憶の波
波音に不思議な声が籠る満月の夜

7/5/2025, 4:20:12 AM

「青い風」

レトロな喫茶店で貴女を待つ
喫茶店の近くに貴女の仕事場がある

テーブルにはメロンソーダ
ストローでメロンソーダを吸い上げていく
喉に冷たく緑色の微炭水が通り乾いた喉を潤す

時計の針は3時を刺している
貴女がこの喫茶店に来るのはいつも3時過ぎだ

もう一口
メロンソーダを吸い上げていく

(カランカラン)

店のドアに括り付けられていた鐘が鳴る

「お連れ様がお待ちですよ」
「ありがとう。ブルーソーダをお願いするわ」
「かしこまりました」

私は入り口の方を見る
貴女は店員と会話した後
私の座る席に向かってきた

「お待たせ。」

貴女はビジネスバックを椅子の端に置いた

「ブルーソーダ、お待たせしました」

運ばれてきたのは、貴女がいつも注文する
ブルーソーダ

私たちに席に「青い風(ソーダ)」が届く

カランと氷が鳴った

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