「秋風」(一行詩)
秋風に揺ら揺られて落ちるは流水の紅葉下ろし
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秋風の酔い覚めに紅葉見る
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ビル街を吹き抜ける秋風受けて纏う紅葉
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秋風受けてぬる燗求め足早に
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秋風や重なり回る風車
「また会いましょう」
また会いましょうは
もう二度無いて思っていたけど、
意外な場所でまた会いましたね
「約束しましたので」と
アナタははにかむ
最後に別れた時と同じ笑顔
ちっとも変わっていない
「互いにあのままかな?
あ、でも私は何歳か年を重ねてるけど」
彼女は少し苦笑いをした。
「うん。また会いましょうと葉書に書いたね。
それがまさか最後の葉書になるとは自分でも思わなかったけど」
(最初に出会った場所で再会は叶わなかったけど)
(僕はあの年のまま。彼女は少し年上になってしまったけど)
此処で再会出来たのは、
「互いに黄色の花が咲く河辺」で会えたらと願ったから
-暗闇の部屋で男が目の前にある記帳に書かれた
二人の名前にバツを付けた-
「スリル」
5000以上のダウンロード数があっても
レビューが書かれていない。評価する記事も見当たらない。
海外製のアプリをインストールするには少しの勇気とスリルを味わう。
「飛べない翼」
世の中に羽ばたく程の強さのない翼を持たずに
地に足をペタペタしながら歩くだけでも良いのだよ
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お前は飛べるさ
ただ産まれてきた時代が悪かった
自由に飛べなくさせてるだけで
俺はお前の自由を奪ってしまった
お前は武器とならずにすむ時代に産まれたかったか?
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あぁ、お前はトロイからそうなるんだ
低空で飛んでりゃそうなるだろう
安心しろ
俺らがちゃんとお前の肢体を食って弔うさ
「脳裏」(一行詩)
何を食べても眉間に皺を寄せながら食べる君の姿
「ススキ」(一行詩)
朝寒の風揺れるススキの群れ