「優しさ」
色んな「優しさ」溢れている。
しかし扱い方を間違えてしまうと
「優しさ」は「毒」に姿を変えてしまうこともある。
どんな「優しさ」でも度を見極めていかないといけなのかもしれぬ。
「ミッドナイト」
針が12時丁度に重なったら
電気を消して
息を潜めて
隠れて
(ガラァンガラァンガラァン)
町外れにある大きな時計の鐘の鈍い音が鳴り響く
町外れの大きな時計の鐘が鳴り始めとともに
土の中からボコボコと亡霊たちが目が覚ます…
或る亡霊は他の亡霊たちに
「さぁ♪仲間達よ!今からパーティーの開始だ♪
一人でも多く仕止めた奴にゃご褒美をあげるぜ!」
亡霊たちは歓喜の声を高らかにあげる
亡霊たちは一行為して
町へ降りていった…
「安心と不安」
生活するにも仕事するにも
安心と不安はツキモノ
一日が始まる朝から不安は付きまとい
安心感は無く、仕事を終えて床に着くまで
明日はどうなるか?と云う不安が付きまとう
安心の数値化は低く
不安の数値の方が高いのが
環境の弱さが物語っている
「閉ざされた日記」
貴女が亡くなった後に
貴女の遺品整理中で貴女との交換日記を見付けました。
和本綴じで表紙は男結びで締められていました。
紐を解いて日記の内容に目を通しました。
病弱だった貴女は病院の看護婦さんのことや
先生や他の患者さんたちとの会話や
手芸を楽しんでいると書いていたことを
思い出しました。
最後のページには小さな紐で綴じられていました。
解くにも特殊な結び方のようでキツく結ばれていて
手では解くことは出来ませんでした。
このページだけ、何故、見れなくしてしまったのか、
私には分かりません。
ハサミで切ろうとしましたが良く紐を見ると
その紐は彼女が身に付けていた腰紐。
「…そっか…。自分がもう死ぬのが分かってたから…、
最後のページに…」
私は、彼女が、最後のページを見れなくしたのか理解出来ました。
日記を箱に仕舞い、他の残された腰紐で縛り直し、
箪笥に仕舞いました。
もうこの先、箱を開けることはないでしょう。
亡くなった彼女が決めた「閉ざされた日記」なのですから。
「木枯らし(凩)」
暖冬と云うてたのに木枯らしが吹いているではないか?
凍てつく風の中で珈琲の温もりはすぐ奪われるが、
部屋で飲むよりも何故か美味く感じるのだ。