NoName

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6/2/2024, 1:06:08 PM

決めた、今日こそは

正直に謝ろう

何度そう決意したか

もうわからない

毎日毎日そう決意しては

謝れずにいるから

でもこんなこと

言えるわけがない

お揃いのブレスレットを

なくしてしまったなんて

親友の証として買った

大切なブレスレット

なくしたなんて

言ってしまったら

絶縁かもしれない

そう考えてしまって

もう1週間も経ってしまった

でもこのまま

隠しごとをし続けるのは

もっと嫌だから

今日こそは絶対に言う!



「「ごめん!!!」」

「「え?」」



「なんでそっちも謝るの?私はあのブレスレットをなくしちゃって、それで謝ろうとしてたんだけど……ほんと、ごめん!!」
「え、そっちも?実は私もブレスレットなくしちゃって、そのことを謝ろうと思ってたの私の方こそごめん!!」


私たちは顔を見合せて

ケラケラと笑いあった


「ねえ、またお揃いのやつ買おうよ、今度はなくさないような、大きくて可愛いやつ!」「うん!じゃあ、さっそく行こう!」

6/1/2024, 12:53:43 PM

空はどんよりと曇り

重たい風が木々を揺らしている

肌寒く湿った空気は、息苦しさを誘う

梅雨のさなかの、じめじめとした一日

私は、雨音を聞きながら

ひとり窓の外を見つめていた

私は雨が割と好きだ

あの子に会えるような気がするから

あの日のことは今でも覚えてる

家族とのピクニック

突然雨が降ってきて

両親とはぐれてしまい

迷子になってしまった

心細くて泣きそうになってると

突然あの子は現れた

あの子につれられて

いろんな場所で遊んだ

何時間も何時間も

遊び疲れて木陰で少し目を瞑ったら

なぜか別の場所にいて

両親が目の前で心配そうに

私を見つめている

あの子はどこだと辺りを

見回しても見つからない

あの子はいつの間にか消えていた


あれからもう20年か……

きっとまた会えると

今でも信じてる

5/31/2024, 12:24:24 PM

ああ、あの子たちはなんて

無垢な瞳をしているのだろう

社会の闇なんて知らない

ただ純粋に日々を生きている

曇りのないキラキラとした瞳

私にもあんな頃があったはずなのに

いつからだろう

思い出せなくなってしまったのは