【声が聞こえる】
『 ..ひなた.... 』
遠くから私を呼ぶ声が聞こえる
振り返っても見渡しても誰もいない
その声と共に
お線香の香りがした
おじいちゃんが呼んでいる
「わかった、明日休みだから会いに行くね」
でも....なんだか嫌な予感がした。。
次の日、お花と線香を買って会いに行った
嫌な予感を拭えないまま
お掃除をしてお花を渡し
お茶とお菓子で乾杯し
最近の近況を話して
「じゃあ、また来るね」
といい私は家に帰った
…そして、嫌な予感は的中した…
翌日、私は体調を崩した
そして
翌月には起き上がれないほどに悪化し1ヶ月休職した
" 急性気管支炎 "と診断された
咳は止まらず
ご飯は食べれず
肋骨が3本折れ
毎日、1時間しか眠れず
計4ヶ月苦しみ
7kg痩せた
…それから2ヶ月後…
骨もくっつき
「さーて!仕事頑張るぞー!」
と思っていた矢先
また、お線香の香りがした
「あぁ、そうだ
治ったこと報告してなかったね、会いに行くね」
なんて言っていたら
今度は、" コロナ感染 "
おかしい....
今年は負の年だ.....厄年ではないのに、、
そしてふと、私は気づいた
『疲れているから休め!』
そう、教えてくれているのか?と
それから職場で休みを増やしてもらった
明日仕事だと考えずに
YouTubeを見ながらゴロゴロしてみたり
1日中寝て過ごしてみたり
行きたいところに行ってみたり
休みを全力で楽しんだ
……
それから半年経って
最近また" 声が聞こえた "
でも私はもう会いに行かないと決めた
だって、体調が悪くなるってわかってるから( ´◔‸◔`)
" 今度の休みの日は寝ますから "
「おじいちゃん、これでいいでしょう?」
でも
体調悪くなる時は教えてね
声を聞かせて……
そしたら今度は
家族と一緒に会いに行くよ。
【大事にしたい】
学生の時から10年以上 仲良くしている親友から
『私、難病抱えてるんだ」と打ち明けられた。
普段、明るく楽しそうにニコニコしてるあなたが??
一瞬目を話した隙に知らない人と打ち解け合い
連絡先を交換出来てしまうあなたが、、?
ついでに
" 写真撮ろー!"って楽しそうにしてるあなたが、、?
…信じられずに唖然としていると、
理由は男性からのDVが原因だと教えてくれた
そして、ストレスによってフラッシュバックを
起こし、記憶が数年抜け落ちてしまうこと
「あ、だからいつも写真を皆と撮ってるのか!
記憶が無くなっても辿れるように」
『そう!そういうこと!』
写真が好きだと思っていたからその事実に衝撃が走った
そして、ひとたび記憶がなくなってしまうと
運転も出来なければ、仕事にも行けない
自分が今まで何をしてきたのか、今何をしているのか
わからなくなってしまう
そして、一生抱えて生きて行かなければならないこと
大切にしている親友を傷つけたその男に
一瞬でも " 笑顔を奪った "その男に
怒りが込み上げ、悲しみに苛まれた…。
……
それからその病気について詳しく聞き
私には何が出来るのか、何をして欲しいか教えて貰った
……
「話してくれてありがとう」
『これからも、記憶がなくなる可能性があるから
そのときは助けて欲しい…いいかな?』
「もちろん!いっぱい楽しい話しよう」
「ずっと家だとつまらないでしょう?」
「美味しもの食べに行こう!」
『ありがとう…』
……
だって、
私が辛くて潰れそうになっていたとき
笑顔にしてくれたのはあなただから
私にとってあなたは大切な人だから
あなたが笑顔でいるから、私も笑顔でいられる
私はあなたの笑顔を" 大事にしたい "から
【時間よ止まれ】
地獄の1週間が始まる1日目の
月曜日
まだ、2日目か…と落胆する
火曜日
よし、真ん中!あと2日!と自分を鼓舞する
水曜日
思わずため息が零れてしまう
木曜日
しゃ!今日が終われば休みだ!とワクワクする
金曜日
よっしゃ!遊ぶぞー!とハイテンションになる
土曜日
サザエさんが流れて悲しみにくれる
日曜日
……
永遠に時が止まってくれればいいのに
[ 宣誓!! ]
誰か、ついでに
金曜日の夜から日曜日の夕方まで
永遠にループしてくれませんか??
と言いたいところだが、
休みが不定期の人もいて
そんな身勝手なことお願いするわけにもいかない
[ 訂正 ]
各々の休みの前夜から仕事の前の日まで
永遠に時が止まりますように
とある夜の日、気になっていた人から
「連れていきたい所があるんだ」
と、誘われた。
車で下道を1時間
どこに行くのだろうと期待と不安を寄せながら
木がたくさん生える真っ暗な山道を登っていく
「心霊スポットみたいだね…」
と言うと
『とっておきの心霊話があるんだ』
と切り出した
怖がる私を見て、楽しそうに話していた
そんな話をいくつかしてるうちに
いつの間にか目的地に着いていた
" 暗い山にポツンと佇む広い駐車場 "
" ザワザワと音を立てる木々 "
" 熊出没注意の看板 "
人生終了の鐘が頭の中で鳴り響いた
暗い森の中、何をしに行くつもりだ
そう思った
彼の腕を掴みながら
スマホのライトで足元を照らし
ガクガク震える足で歩いた
少し歩くと小さな看板が見えた
[ 展望台→ ]
……ん?!?!
予想外な展開に"嬉しい"という気持ちがよぎった
だが
暗く何も見えないこの状況で
本当に存在するのか心配で堪らなかった
展望台までの道のりは5分
たったの5分だったが、恐怖でとても長く感じた
彼はそんな私を見てクスッと笑い
『俺がいるから、大丈夫だよ』
『足元、気を付けてね』
と二言。
怖いことを一瞬で忘れさせてくれた
展望台につくと
そこは街全体が見回せる絶景スポットだった
オレンジ色に光る街頭
ビル内から漏れる光
クネクネ道を走る車
観光の街並み
1つ1つがキラキラと輝いていて
イルミネーションみたいで
とても美しく
しばらく見入ってしまった
彼はそんな私を見て
「気に入ってくれたみたいでよかった」
「悩み事があるときに1人で来る場所なんだ」
「まだ、誰とも来たことないんだ」
「でも、○○と一緒に来たいと思った」
「だから誘ったんだ」
そう彼は話してくれた
それから2人でベンチに座り
しばらく夜景を眺めた
その日から何度か一緒に行った
寒い日は手を繋ぎ
彼の上着で温もりを感じ
時にはギュッと抱きしめられドキドキしたりもした
……それから月日は流れ…
彼と絶縁してから早1年
彼はいま何をしているのだろうか
働いていた職場を辞め
どこに行ってしまったのだろうか
元気にしているのだろうか
今日もまたあの山に登っているのだろうか
あの綺麗な夜景を1人見ているのだろうか
夜景を見ると
しきりに彼を思い出し
また、あの夜景を彼と一緒に見たい
そう思ってしまう。
【夜景】
【花畑】
小さい頃、家族でひまわり畑に行った
それはそれは大きくて私の身長をゆうに越していた
大きいひまわり
たくさんのミツバチ
快晴のおおぞら
視線の先には美味しそうに水を飲むお姉さん
とても美味しそうに上品に飲む人だった
滴る汗
白のワンピース
太陽光で光り輝くペットボトル
スラッとしたスタイル
あの女の人みたいになりたい
そう思った、ある真夏の日だった。
……
大人になった今でも
ひまわりを見るとあの頃の記憶を思い出す