こまつな

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7/28/2023, 6:33:20 PM



せっかく買ったチョコバナナは、食べ方が下手すぎて、
串からすっぽ抜けて地面に落ちてしまった。
ヨーヨーも、はしゃぎながら何度も手に叩きつけるうち、
ゴムが切れて、コンクリートの上で破裂してしまった。
思えば、随分容量の悪い祭りの過ごし方だったように思う。

転勤族で、そのうち住んでいた地域も新興住宅地 だったりした関係で、地元の祭りというものにイマイチ縁がない。
唯一、住んでいた家の傍でそれなりにしっかり行われていたのが、北海道某所の祭りだった。商店街で行われていた。

失敗ばかりの祭りだったが、とても楽しかった。

金魚すくいは1匹もすくえなかったが、おじさんに、1匹袋に入れてもらって、家で大切に育てた。
その後名古屋に引っ越すことになって、その金魚は同じアパートに住んでいた方にお譲りした。熱帯魚や爬虫類を沢山飼っていて、快く引き受けてくれた。

先日、ふと気になってその商店街について調べた。
店の並びも随分変わって、なんだか外観も小洒落ている。

この商店街には、小学校時代の同級生の家が雑貨屋を営んでいたはずだ。あの店はまだあるだろうか。

7/27/2023, 2:34:22 PM




『あなたは、尊厳を傷つけられたと勝手に勘違いをして、冷静さを欠き、ムキになって余計に事を拗らせてしまうようですね』

『神様』…………という建前の、理性的で、何処か客観的な
『私自身』が、私に向かってそう言った。

「……」
『相手だって貴方のプライドを傷つけようとしている訳ではないのだから、もう少し落ち着なさい。もういい歳でしょう』
「…………」
『あと、面倒な単純作業になった途端頑なにサボろうとする癖を何とかしなさい。あとで怒られて、仕事がますます嫌になるのは貴方の問題でしょう。それから……』

「うるっっせぇ!!」

振り払った途端に、ありがたい忠告をしてくれた『神様』が眉を顰めた。

『そんなんだからいつまでも成長できないんじゃないんですか?』

「わかってる」、と返すことしか出来なかった。


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「神様」を「もう一人の自分」に置き換えているのは、
完全に『おやすみプンプン』の影響を受けているのだと思う。

7/25/2023, 2:11:47 PM



鳥かご…

箱入りで自立が遅れた私のことか……!?



……と、思うなどした。

一人娘で女子校育ち。丁寧丁寧に育てられた結果、
大学生になっても物を知らないまま成長したきらいがある。

門限が厳しかったりしたし、
一人暮らしを始めようとした時も、まあ最初は止められた。

社会人になってからは散々ゴネて、
一人暮らしをすることができた。



これは『鳥かごの話』というより、
『鳥かごを出た後の話』になってしまうが、

やはりどこかで自立はしておいた方がいい。

自分の為とか大人としての責任みたいな、
硬っ苦しい理由はこの際ナシにしよう。

そんなことより、シンプルに楽しいのである。

もちろん自立となるとそれ相応の責任や、
自分で管理せねばならない面倒も増えるが、

それを差し引いても自立は楽しい。世界が広がる。


……というのが、一人暮らしをして以降、
箱入りだった反動で、どこもかしこも遊びに行くように
なってしまい、

先日、よく知らないバーに単身突入し、
そこで見ず知らずの人間と徹夜で酒を飲み明かし、
そのまま歌舞伎町で焼肉を朝飯にして帰った
女の言い分である。

金は凄まじく飛んだが、これも勉強代だと割り切っている。

7/24/2023, 11:56:42 AM



友情。

これまた大変難しいお題である。



友達自体は、それなりにいる。多分少なくはない。
相手によりけりだが、そんなに浅い付き合いをしている
つもりもない。

嘘をつくのが苦手なので、
ほとんどありのままを吐き出している。
だから周りも警戒心を解いてくれるのだと思う。

ただ、友情……

友『情』かあ……

まず、誰かと人付き合いをする時に、『情』って湧くか?
てかそもそも、『情』って何?

友達に対してありのままを曝け出して話すのは大好きだ。

もちろん、友達のことも好きだ。
何かあれば心配するし、親身になって相談にも乗る。


ただ、それってあくまで、
波長の合う話が出来ている事それ自体とか、
そういう話が出来る友人の人となりが好き、
それ以上でもそれ以下でもないので、

深い『情』みたいなものまで湧いているかと言われると、
うーん……かなり微妙である。

つーか、『情』というものが湧き出したら、
それっていよいよ友の域を越えて、
恋愛に発展したりしないか?これ、私だけ?


…………それとも、私の、友人に対する価値観が、
こざっぱりしすぎているのだろうか……

7/23/2023, 12:13:34 PM



果てしなく広がる海の蒼と、透き通るような空の青、
険しく激情的な岩壁のサンドカラーの上に、
常磐色の木々が塗りたくられている。

大好きな景色だ。

伊豆半島という所の、端の端。
愛逢岬という場所に、その風景はある。

夏。
この風景に、新たに橙が加わった。

それまでの大味な色使いから打って変わって、
前面に、角に、そのオレンジ色が細々と点描されている。
そのコントラストがとても美しい。

その色の主は、花である。
名前をカンナというらしい。



私はこの場所が本当に好きで、
二ヶ月に一回は、わざわざ関東地方から
この景色を見に車を走らせる。

仕事に疲れて何もかも嫌になった時も、
それから少し立ち直ってこの土地に感謝している時も、
何度もここに来た。

しかし、真夏のこの時期にこの場所に来たのは初めて。



花咲いて、見知った土地が更に色づいた。

知らない顔を知ることができた気分である。



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