天気が良い
窓から見える外に
制服を着た学生たちが歩いている
目の前に置いてある
氷が溶けてしまったサイダーに
口がつけられていないのに気づく
目を合わせ
手を繋ぎ
わかち合い
過ごした日々に
まだ、名前をつけれない
カラン
氷が溶けたのか音が鳴る
冷たいのは緩くなり
温かいのは冷めてしまう
変わるのは当たり前で
変わらなければ
薄くなったサイダーのように
一口も飲まれなくなる
格好つけず
正直に素直に
真っ直ぐな目なのに
心配そうな眉をして言ってくれて
ただ、このときも覚えておきたくて
もう、目の前にあなたはいない
薄くなったコーヒーを飲んだ
#君と最後にあった日
「あ、」
何か踏んだ様な気がして
足の裏を上げてみた
薄く細く
淡くて薄くて
艶やかで煌めいて
小さなもの
しゃがんでよーく見てみる
吹いている風のせいか
地面に近づいた私の吐息のせいか
残っていたのが散ってしまった
何も残っていない
気にかかるが立ち上がる
ふと、爽やかな香りがした
辺りを見渡すが特に何もない
もう一度、地面を見てみた
確かに踏んだ感触はあった
確かに何かあったが
跡形もなく無くなった
ブーブーブー
携帯がなった
待ち合わせ時間に遅れてしまう
地面を蹴った
#繊細な花
大丈夫かな
水いるかな
元気なくなったかな
もっと日当てようかな
どうしよ
どうしよ
過保護は良くないと思うけど
サボテンも枯らすぶきっちょだから
心配通り越して
意地なのに気づく
今書いてるわたし
来年、実がなっているのが目標です
#1年後
「ただいま」
「おかえり」
お家に帰るとリビングで
コーヒーを飲んでいるお母さん
氷の入ったコップから水滴が流れている
私は冷蔵庫から
きんきんに冷えた麦茶をコップに流し込む
焦茶と薄茶
どちらも茶色なのに
少し濃いだけなのに
あっちの方が特別に感じるのはなんでだろう
「ただいま」
新しく買ってきたコーヒー豆
シャワーはさておき
ミルを挽く
一緒に飲みたいな
#子供の頃
朝は遅刻ぎりぎりまで布団のなか
思考は停止し、体は起動
コーヒー一杯飲み出勤したいが
余裕がないため想像だけ
毎日会う戦友と
毎日変わらない戦場
待ち遠しいお昼
睡魔と闘う午後
実を言うと眠いのは午後だけじゃない
欲求不満なのか社会批判する歌を聴きながら帰宅
シャワーを浴びてミルを挽く
朝飲めなかったコーヒーを一杯
その他は簡単に済ませ
布団でごろごろ
満足
#日常