「うわー!〇〇君すげー!」
「俺は世界一の勇敢な男になるんだからこれくらい楽勝に決まってんだろ!」
「いつか絶対おいついてみせるから!」
「おう!」
昔の記憶を思い出しながら友の写真をじーと見つめる
よく「ジャングルジム」の上に登って夢を語っていた
そんな彼は先日子供を庇ってこの世を去った
彼の隣に立って一緒に夢を叶えたかった
もっと一緒に夢を語っていたかった
あぁ、君の背中はまだまだ遠かったみたい
もう追いつくことなんてできなくなってしまったけど
いつかまたお世話になります
「今日は⚪︎⚪︎を一緒に見ようぜ!」
「今日は寝坊助か〜?」
白い部屋で寝ているのだから起きたら白い天井が見えるはず
でも自分が朝起きて一番に見えるのはいつもそばにいてくれる君の顔
あぁ、毎朝自分を想ってくれるあなたの声に起こされるなんて自分は幸せ者だ
これから先、どれだけ君の「声が聞こえる」だろうか
「起きたか?おはよ」
俺の唯一の目覚まし時計
実家を出て一人暮らしをしてからはや数年
すっかり今の暮らしに慣れてしまった自分は一つだけまだ慣れないことがある
毎年秋がくると今まで暑かったのが突然肌寒くなってくるのか原因かはわからないがどうにも人肌が恋しくなってしまう
幼かった頃のように母に抱きついて一緒に温めあう、
そんな妄想をしながら1人寂しく秋を過ごす
それが自分の「秋心」
さて今年の秋はどんな理由をつけて実家に帰ろうか
自分の秋はまだ始まったばかりだ
「俺、ミュージシャンになりたい!」
そんな夢を語ることができたのはいつまでだっただろう
「あなたには音楽の才能がないわ」
「どうして小さい頃からやってるのにこんなこともできないの⁈」
周りの大人達の声が耳に張り付いて離れない
でも1人だけ、1人だけ
俺に励ましの言葉をくれた友がいた
「一緒に夢、叶えようぜ!」
あぁ、そうだな。自分の心を動かしてくれるのはいつだってお前だった。
「君の奏でる音楽」
お前の音で今日も、俺は進むことができる
「ねぇ、知ってる?あじさいの色って土の種類で決まるらしいよ!」
どこかで聞いたこの言葉。
その時自分は思ったんだ。これは人間も同じなんじゃないか、って
人も自分をうんだ親によってもう決められてたんじゃないのか?社会の中での生き方を
あぁ、だから自分は、こんなにも人から嫌われてしまうのか
ひとりぼっちのあじさいを
「あじさい」