7/8/2025, 1:30:55 PM
「あの日の景色」 #57
忘れもしない、きっと人生で一番のあの日。
ゆとりがあるロッカー
ハンガーに吊るされた練習着
そして、すぐ横にいるあなた
隣だったのに今までは気にも留めなかったあなたの部室。見慣れない景色の中。
あなたに告白した。
目に新しい他の部活の部室も、見た事のない頬を染めたあなたも、私の目に焼き付いている。
7/7/2025, 10:44:19 AM
「願い事」 #56
私が一人でふらりと出かけた先の笹の葉
“大切な彼女とずっと一緒にいられますように”
君が友達と出かけた先の笹の葉
“将来安定した職につけますように”
「ほんとは自分も同じこと書きたかったけど、あいつらいるから書けなかったの」
7/6/2025, 2:54:37 PM
「空恋」 #55
“そら”の恋なのか “から”の恋なのか
分からないけれど、私はあなたに恋をした。
“そら”のように、届きそうで届かなくて。
“から”っぽ のものに手を伸ばしているような気がした。
まやかしのあなたを求めるような恋だった。
そして、確かに在るあなたへの愛になった。
7/5/2025, 1:48:26 PM
「波音に耳を澄ませて」 #54
そっと、あなたの心に耳を傾ける。
静かに凪いでいる。高く荒ぶっている。
魚が跳ねている。海藻が漂っている。
日の光が反射している。雨が降り注いでいる。
見えるわけではないけれどそんな音がする。
いつか、その海をこの瞳に映したい。
7/4/2025, 2:05:45 PM
「青い風」 #53
暁天の下、私の頬をふわりと風が撫でてゆく。
青空の下、私の横をひらりと風が避けてゆく。
黄昏の下、私の髪をさらりと風が揶揄ってく。
月夜の下、私の涙をほろりと風が落としてく。
可惜夜の下、仄青いそよ風が笑ってゆく。
私たちの恋仲をくすりと風が笑ってゆく。
その風を青と感じたのはきっとあなたに似てたから