「上手くいかなくたっていい」
自分がいいと思えるなら上手くいかなくたっていい。
自分が超えたいラインを越えられたならそれでいい。
そうやって、少しずつ受け入れられる範囲が大きくなっていけばいい。
自分に対しても、他人に対しても、おおらかになっていければいい。
上手く受け入れられなくたっていい。
少しずつでいい。
「喋よ花よ」
まだ見ぬ、自分の子どもへ
喋よ花よと育てるつもりです。
楽しみに待っていてください。
「鐘の音」
人は一目惚れをした時、頭の中に鐘の音が鳴るという。
そんな訳ないと内心バカにしていた。
ある日、君を一目見た時、鐘の音なんて聞こえなかったから。
変わりに感じたのは頭を鐘で殴られたような、強すぎる衝撃だった。
やっぱり鐘の音なんて聞こえないじゃないか。
僕は今でも信じていない。
一目惚れした時に、頭の中に鐘の音が鳴るなんて。
「つまらないことでも」
毎日がつまらなくなる時がある。
同じことの繰り返しが苦になる時がある。
刺激を求めようにも、周りの環境や自分は簡単には変われないし変わらない。
ただ、同じことの繰り返しが自分を保ってくれていることもある。
朝、目が覚めて起きてしまえば、顔を洗う。
顔が洗えたら、ご飯を食べる。
そうやって、1つ1つやっていくことで、なんとか1日を終えることができる。
今日もつまらないことが私を保ってくれている。
「目が覚めるまでに」
まだ夢の中。
まだ、君と手を繋いでいられる。
今日こそは目が覚めるまでに、君の名前を呼びたい。
そんな僕の願望を知ってか、君の輪郭が次第にぼやける。
ぼやける君に続くように、目覚まし時計が僕を呼ぶ。
起き上がり、君を反芻する。
夢の中で繋いだ手の感触や君の柔らかい笑顔を、細部まで覚えていられるように思い出す。
──我ながらキモイなぁ。
現実では、話したこともないただのクラスメイトの君と僕。
君は僕の名前を知ってくれているだろうか。
僕は君の夢を見てしまう程、君に夢中だ。
君の夢を見ているなんて、知られたら気持ち悪がられるに決まっている。
現実と夢とのギャップが辛い。
あわよくば、君が話しかけてくれたりしないだろうかと、
君が読んでいた本を僕も読んだ。
前髪をあげたセットが好きだと、偶然聞いてしまった友達との会話。聞いたその日には、髪の毛のセットを練習した。
だが、成果はまるで得られない。
ひよっている自分が情けない。
──今日こそは絶対に話しかける!
と意気込んだのも、もう何回目か分からない。
だが、その意気込みは今日、裏返った声の挨拶となって君に届いたのだった。