テーマ『透明な羽根』
もしも、私に透明な羽根が生えていて、それに気づかないだけなのだとしたら。
どうすれば、羽根の存在に気付けるだろう。
…多分、探しても分からないだろうな。
ただ一つできることは、「ある」とイメージすること。
羽根があれば何がしたいか。飛ぶ羽根なのか? それとも他の何か?
空? 夢の中? 頭の中だけでいい、好きに妄想してみる。
──あぁ、私は自由になりたい。
他者と自分の境界線で必死にもがく、ちっぽけな「私」が怯えてる。
目には見えない、大きな翼でそっと包んで、守ってあげたい。
「今日も、よくがんばったね。もう十分だよ。考えなくていいよ」
あぁ。まぶたの裏に、白い天使がこちらを微笑んだ。
テーマ『tiny love』
秋風に揺れる紅葉。
ふわふわな猫のしっぽ。
葉っぱに散りばめられた朝露のキラキラ。
ちっぽけだけど、私の大好きな瞬間。
テーマ『おもてなし』
某ホテルアニメで「おもてなしにはうらもなし」という言葉があった。
語呂はいいものの、これって結構難しいことだなと思う。
「こうしてあげたら、こうしてくれるかな」
なんて打算的に考えてしまうのはよくある話だと思うし、よくないと分かっていても、どうしても相手に期待してしまう。
別に、期待することを完全に辞めようとは思わない。
特に仕事なんかでは、やってくれることを前提に雇用されているわけだし、働いている身としても多少は見込んでくれないと働き甲斐がない。
ただプライベートでは、どうしても期待してしまうことが増える。
それは相手と親密で、甘えられる関係性だからだ。
むしろ甘え甘えられることが、幸福感につながることもあるだろう。
それを当たり前だと考えてはいけないな。と思いつつ、今日も私は誰かに助けられながら生きるのであった。
……「おもてなし」とは、「おたがいさま」の精神なのかもしれない。
この文章を書きながらふと、そう思ってみたりする。
テーマ『消えない焔』
「炎」と「焔」の違いを調べてみた。
前者が物理的な炎であることに対し、後者は精神的な情熱というニュアンスもあるという。
……精神的な情熱とは、私にとって一体なんなのだろう。
やりたいことはそれなりにやってきた。
ゲーム、美味しいものを食べること、カラオケで一人熱唱したり。
こうして思いついた言葉を文字にするのも、嫌いじゃない。
しかし思い返せば、熱狂的に何かをした記憶はない。
記憶がないだけで実際は何かしらやっていたのかもしれないが、いずれにしろどこか脅迫的に、何かに追われながらやっていたような気がする。
案外、人は必要に迫られたり危機を感じないと、底力がでないのかもしれない。
今は情熱的に生きるというより、毎日できることをこなしているといった感覚が近い気がする。
あまりエネルギーを出せる人間じゃない私は、せいぜいロウソクの火が精一杯で、消えてしまわないよう守り続けて生きてきた。そんな感じだ。
だけど、ロウソクの温かさが心地良い人だっているかもしれないし。
どこでもかしこでもキャンプファイヤーをやってたら、大変なことになってしまう。
そう考えたら、私の焔はゆらゆら不安定で、照らせる範囲も狭いかもしれない。
でもまあ、それでもいいかと思う自分がいる。
ロウソクなら、誰かのロウソクに火を灯せるから。
逆に、誰かの温もりを受け取ることだってできる。
ちっぽけでも、消える日までできる限り生きられたなら、きっとそれが私の人生だ。
テーマ『終わらない問い』
時々、正解のないことをひたすらグルグルと考えてしまう。
あの時もっとこうしていたら。
あれは失敗だったんじゃないか。
本当ならもっと上手くできたんじゃないか。
あの人はあの時、どう感じていたんだろう。
知りようのないこと、どうにもできないこと。
そんな他愛のない過去が静かに影を伸ばして、現在を覆い尽くしてしまおうとする。
この文章を書いている、ちょうど今この時みたいにね。
どうすれば、このオテンバな過去にお帰りいただけるだろうか。
夜は特に不安になりやすい。明日への不安も入り交じって、時間という丼のちゃんぽんに溺れ死にそうだ。
今生きている瞬間を、精一杯生きたいと願っている。
今できることをやったら、後も先も考えずに「それでよし!」と切り替えられる人間に、私はなりたい。
もともと不安性だと自覚しているから、スイッチみたいに切り替えるのは難しいかもしれない。
それでも明日、仕事が終わったら何食べようだとか。
いつか行ってみたい場所はどこだろうかとか。
想像できないくらい先のことを意図的に考えてみると、少しだけ楽しいかもしれない。
文章に書いてみて、初めて気づいたことだ。
こうして私の自己探求はまた一つ、深まっていくのだった。