「偉いね」
背後から頭上に通る声
何も言えないのは何でだろう
私がもっと言葉を沢山持ってたら
沢山持っていなくても
私がもっと喋れたら
何か変わってただろうか
手を止めずに
だた白い紙の上を滑らせて
何も気付かないふうを装って
この時が過ぎるのをただ願った
窓際から外を見て振り返り
こっちを少しみていたようなあなたが
教室から出ていった
「はぁ…」
何かされるわけでもないのに
期待されてると思うだけでぞっとする
深い青色した布に
たくさんのキラキラを並べてみる
コレはあんなだ
アレはこんなだ
みんなと作業するのは
とても楽しい時間だった
そうして出来上がったものを
ぱぁっと広げてみたけど
どうだろう
君からはどんなふうに見えるかな
君たちのいう夜空に広げた
僕たちの想いが届き
深い暗闇のなかでも
僕たちのみている大切な
君たちの想いが
満ち足りたものでありますように
自分じゃ役にたたない
自分じゃ必要とされない
自分じゃ意味がない
みんな自分なんて必要としてない
あいつだったら
みんな必要とするし嬉しいよな
なんてさ
例えそうだとしても
僕には君だけだけよ
君が笑えば
僕は心がふわぁ〜ってするし
君が泣けば
僕は心がしゅ〜んってするし
君のやることなすこと
全部ぜんぶ気になる
君がいてくれるから
僕はこの世界の全てを手に入れられるよ
君がいてくれなきゃ
僕はこの世界を感じることすら出来ないよ
忘れてもいいけど
ちゃんと
思い出してよね
僕のこと
息をすると
ぐっと胸が痛くなる
自分を育てていくって
決めたはずなのに
そんなの無理
お前になんて出来っこねぇよ
何をいまさら
周りを見ろよ
みんなお前が嫌いじゃねぇか
頑張ってみたところで
どうにでも出来るもんじゃねぇし
何をいまさら
歳を考えろよ
みんなお前を憐れんでるよ
厳しい本音を有難う
でもちょっと黙ってて
僕もちょっと疲れちゃった
夜明け前
窓から身を乗り出して
空を見上げた
地平線から
漏れ出してきた光が
静かな空に滲んでる
もう少しだけ
待ってくれないかな
まだ朝を迎える
心の準備ができてないよ