闇の精霊

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10/4/2024, 12:10:00 PM

【踊りませんか?】
Shall We Dance?なんて。まぁでも、お手を拝借。踊り方なんて知らない?結構結構。素人らしさが出てる方が俺が映える。そういう目的かっ!だって?そ、最初からそのつもり。ほーら、嫉妬、羨望が気持ちいいねぇ。此方は恥ずかしいだけだって?踊れてる踊れてる。はい、曲終わり。良かっただろ。良くない?まあまあ、これ夢だから。夢オチなんてサイテー?じゃ、お前は目の前の俺が本物の生徒会長様の方が良かったのかね。宜しくないだろ?モブで生きてきた奴が急に学校の高嶺様とダンスだなんてね。ガチ嫉妬と羨望はお前が壊れちまうぜ。じゃ、おはよう。

頭痛い…。変な夢見てた気がする。覚えてないけど変な夢…。あ!遅刻遅刻!

10/3/2024, 11:30:17 AM

【巡り合えたら】
時々思う事がある。即死出来る様な高い場所から飛び降りたら彼女に会えるんじゃないかって。でも、彼女と同じ死に方をしたって…とも思う。幼少期、僕には大好きな女の子がいた。金髪で大きなツインテールを揺らしていたチャーミングな子。
「空に近いところで告白されるのが夢なの」
そう話していたから屋上に呼び出して告白したのに彼女は満足げに微笑んで身を投げた。広がっていく血溜まりで死んでいるなんて思えない程の満面の笑みの彼女の顔を今でも夢に見て、嘔吐する。あの時、僕が悪いんだと散々わめき散らしたが誰も責めてくれなかった。これは君が持っていた方がいいと手渡された彼女の日記の最後の一文。
「世界で最もいとおしい彼の記憶に残る為に逝くの」
君の思惑は大成功だよ。忘れられるものか。胃液がせり上がるが当時の僕みたいに吐く事はなかった。でも、また夢に君が出てきたら嘔吐するんだろうなって思った。

10/2/2024, 12:07:13 PM

【奇跡をもう一度】
はい、希望を持ったそこのお前。そんなもんはない。奇跡ってのは偶然の積み重ねで出来上がった妄想だ。でも、事象として存在してる?へぇ。で?それが?ないもんはないぜ。じゃあこれからこの男の頭を銃で撃ち抜くけど奇跡ってのが起きるなら銃がジャムって助かるとか助けが来るとかそういう事だよな?ほい、撃ったぞ。死んだが?血塗れだが?ほら、奇跡なんてない。死者蘇生でも見せてくれるのかい。画面越しの安全圏のお前さんにゃ無理だわな。それにこれは録画だ。つまり…。
―どうも、安全圏のお前さん。奇跡ってのを教えてくれよ。

10/1/2024, 11:41:17 AM

【たそがれ】
もう何連勤か忘れたけども煙草うま…。これだけの為に生きてる。ま、社畜なんて生きてるか怪しいがね。現代のゾンビと書いて社畜。テーマパークのハロウィンとか関係なくそこらじゅうに。パンデミック起きてるのかよって位いるけどな。ははっ。はぁ…イベントなんて知らね。さっさと職務に戻るか。どうせ、SNSで都市の吹き溜まりでゴミ問題や馬鹿やった人モドキの話を冷めた目で見る日でしかない。雪と同じ、大人になったら楽しい、ワクワク、綺麗なんて感情よりも煩わしいが勝る。キラキラと輝く純真なんざ無くしたよ。大人になるってのはそういう事。汚れるもんさ。はぁ、永遠に煙草吸っててぇ。

9/30/2024, 12:09:09 PM

【きっと明日も】
「踏み込みが甘いですね。だから、いなされる」
小柄な女教官に軽々と天地をひっくり返される。刀術が得意な筈なのにどうして体術もこんなに優れているんだこの方は。
「顔を見なくても言いたい事は分かります。お答えしましょう。体術は基礎。ありとあらゆる分野で活躍します。それに並みの男性に敗北するなど屈辱の極みですので強くなって差し上げました。そして、教官として一言。基礎を怠る者は死して構いませんよ」
不敵な笑みから放たれる言葉は冷徹で鋭い。並みというのは一般男性の事ではなく兵士達の事。雑兵ごときと一緒にしてくれるなという圧。光のない目に見つめられて寒気がした。
「今日はこれでおしまいです。今回の箇所と次の箇所の教本を渡しておくので穴が空くくらい読み込んでください。実践もお忘れなく。筆記だけでは身に付きませんよ」
颯爽と訓練場を去る彼女。どれだけ訓練しようともまた今度も地面と口付けをするのだろうと手渡された教本を眺めながら思った。

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