【月に願いを】#4
満月かしら。
ふと見上げると、そこには大きなおせんべいみたいなまんまるお月様がありました。
懐かしいな…
私は昔、あそこに住んでいたことがあります。
そこはとても美しい宮殿があって、みんな歌ったり踊ったり、それはもう楽しい日々を過ごしていました。
あの日々を懐かしみながら、今日もまた日課である日記をつけます。
この日記は、私がこちらで暮らし始めた日から書き始めました。
ここにきてすぐの時は色々な苦労がありました。
みんなができることができないのは悪いことだ。
みんなと同じが1番いい。
初めはそう言われていました。
しかし、少し時が経つと…
個性を大切にしろ。
自分らしくいるべきだ。
そんなことを言われ始めたのです。
私はどうして良いかわかりませんでした。
みんなと同じを強要されていたのに、突然に自分らしさを強要され始めるのです。
自分らしさとはなんでしょう?
個性とはなんでしょう?
もうわからなくなってきてしまいました。
こんなこともわからない私は、きっとお月様から来たのです。
きっとこの星の人間ではないのです。
月で毎日楽しく過ごしすぎたバチが当たったのだわ。
だからね、お月様。
どうか、私を元いた場所に返してはくれませんか?
【「ありがとう」そんな言葉を伝えたかった。その人のことを思い浮かべて、言葉を綴ってみて。】#3
幼い頃から、物語を書いて母に読んでもらうのが好きだった。
物語の中では、どんな世界でも作ることができる。
それが楽しくてたまらなかった。
大人になり、イラストや漫画、小説が投稿できるアプリで好きな物語を書いて投稿している。
私が書いているのは、二次創作やオリジナルの男性同士の恋愛の物語だ。
(もしよければ、探してみて欲しい(笑) )
もちろん、自分の脳内で作られた大好きな物語を文章にするのは、すごく楽しい。
しかし同時に、自分が本当に書きたいのは物語だけでないということも感じていた。
文章を書くことが好きだ。
だからこそ、自分の思うままに書ける場所が欲しかった。
そんな時に出会ったこのアプリ。
まだ始めて3日目だが、早くも習慣になろうとしている。
私が書きたい文章を書けるこの場所に感謝を伝えたい。
運営の皆様へ
素晴らしい場所を作ってくださって、本当にありがとうございます。
末永く、よろしくお願いします。
私の文章を読んでくださっている皆様へ
まだまだ拙い私の文章ですが、読んでくださってありがとうございます。
私自身も皆様の文章を見て、自分では思いつかないような着眼点に気付かされることも多く、とても勉強になります。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
【優しくしないで】#2
私はきっと、誰から見ても幸せな人生を送ることができていると思う。
優しい両親に恵まれ、たくさんの経験をさせて貰えた。
両親にはとても感謝している。
でも、優しくされればされるほど。
いろんな経験をすればするほど。
生きにくくなっていくように感じた。
両親に返さなければいけない。
この恩を結果で返さなければいけない。
そんなふうに思うようになってしまった。
両親はそんなこと望んでいないかもしれない。
それでも、両親の期待に応えなければならない。
いつしかそんな重荷を背負っていた。
勝手に背負って、勝手に耐えられなくなっている。
なんとも滑稽なものだ。
今でも私は、本当に進みたい道を両親に言い出せずにいる。
ただ臆病なだけだということはわかっているが、重い荷物が邪魔をして上手く言い出せない。
こんな気持ちを抱えて、苦しくてたまらなくなるくらいなら…。
もうこれ以上、優しくしないで。
【カラフル】#1
「あなたは女の子だからピンクね」
私が幼い頃、祖母から実際に言われた言葉だ。
ピンクは嫌いでは無かったが、何だか少しモヤモヤした。
この世界にはもっとたくさんの色があるのに、どうして「女の子だからピンク」なのだろう…?
そんなことを考えていた。
従兄弟は綺麗な青を選んでいたのに。
私も本当は青が好きだった。
大人になり、与えられるばかりでは無くなった私は、好きな色を自由に選べるようになった。
しかし、本当に好きな色を自由に選べているのだろうか?
この色はこの服と合わない。
この色は自分には似合わない。
この色はあの場所には合っていない。
せっかく好きな色を選べるようになったのに、毎日こんなことを考えている。
私たちは、『自由』に縛られている。