ー時間ー
時間というものは残酷だ
良くも悪くも必ず進んでいく
君が隣にいた日常をすぐ思い出せるのに
遠い昔のような感覚だ
知らない君が増えていく
知らない日常が増えていく
知らない思いが増えていく
それはとても寂しく、虚しく、悲しい
時間が解決してくれるだなんて
信じてはいけなかったみたい
“時間だけ“が過ぎていくんだから
ーハンカチー
『もう泣きたくない』
君がそういった時、僕は、
“君の傘になりたい“と思った
でも、時には降り注いでくる雨に
立ち向かわないといけない時もあるだろう
涙を流さないとやっていけないこともあるだろう
苦しみから逃れられない時もあるだろう
傘になってはいけない時があるかもしれない
そんな時は堪えずに、思いっきり泣いていいよ
その涙を全部僕が拭ってあげるから
泣きたいだけ泣けばいい
僕が君のハンカチになるから
ー傷ー
いつまで経っても癒えない傷ってあると思う
いつか乗り越えられますように、とか
いつか前を向ける日が来ますように、とか
そんなことは望んでない
そんな日が来たら、
この傷が癒えてしまったら、
君が本当に遠くへ離れていってしまう気がするんだ
君の抱えていた傷を僕が半分持てるように、
せめて僕の中で生き続けてほしい
そんな願いを込めながら
一生その傷と共に生きたい
ー頑張ったねー
頑張ってるよ
あなたは頑張ってる
誰がなんと言おうとあなたは頑張ってる
心はもうとっくに背を向けているのに、
限界だと悲鳴をあげているのに、
それでもなんとか息をしながら立とうとしている
私は見てるよ
よく頑張ったね
本当によく頑張ったね
もう肩の力を落としてもいいんじゃかな
だって君は、十分すぎるほど頑張ったんだから
本当によく、頑張ったね
ー虚無ー
「何でもある」って「何にもない」ことだ
僕はそう思っている
便利になった世の中
何でも揃っている街
お金があれば何でも買える
これらを手にした時、
または、これらを感じられる場所にいる時、
そこには何が残るだろうか
僕は何を手に入れられるんだろう