ー光ー
君はどこまでも馬鹿だね
愛されることを知りたくないだなんて
愛することも、愛されることも怖いよ
だけど、きっと君の心を優しく包み込んでくれる
心の奥底で叫んでる誰にも届ようとしないその思い
私には届いているよ
知ったら終わりじゃない
始まりだよ
だから檻から出ておいで
もう何も諦めないでいいんだよ
今までよく一人で頑張ってきたね
これからは手と手を取り合って生きていこう
ー檻ー
世の中、愛されたい人間で溢れている
うるさいなあ
そう思いながら街ゆく人を横目で見ている
愛されることなんて知りたくない
人の温もりなんて知りたくない
人は知っているからそれを求めるんだ
一度知ってしまったら戻れなくなってしまう
だから僕は知りたくない
知らない方が幸せだ
やめてくれ
僕の世界に入ろうとしないでくれ
必死に守ってる僕の世界に
もうこれ以上踏み込んでこないで
ー冬ー
光り輝く小さな粒の結晶が街を輝かせる
そしてそれらは人の心を魅了する
そんな季節が僕は大嫌いだ
昼間は何も変わらない日常
それが夜になると暗闇に魔法がかかる
まるで現実と空想の間にいるかのようだ
現実に追いつきたいけど追いつけない
それが僕を余計に虚しくさせる
綺麗なものから目を伏せたくなる
そんな僕がもっと嫌いだ
いつか、綺麗なものを“綺麗だ“と
素直に言える日が来るだろうか
“冬があたたかい“と思える日が来るだろうか
せめて、そんな淡い期待を捨てずにいたい
ー誕生日ー
それは僕が愛され始めた日
そして僕が1番嫌いな日
生まれてことに感謝され
僕に嬉しい言葉をかけてくれる人がいる
嬉しい。
同時に1番お祝いしてほしい人に
忘れられている日
思い出されて祝われるくらいなら
いっそ完全に忘れられてる方がマシだ
いつからか、僕の誕生日に気づきませんように
と願ってしまう僕がいる
どうか僕のような人が少しでもいなくなりますように
生まれてきたことに意味がある
生まれてきてくれてありがとう
ー生ー
「もっと生きててほしかった」
やめてくれ
そんなの僕だって思ってるさ
これほどまでに残酷な言葉はきっとない
もうそれ以上何も言わないでくれ
耳を塞ぎたくなるほど願ったさ
もう、その言葉は願っても叶わないんだ
羽ばたいた君に最後にしてあげられることは
最期の生き様を否定しないことだ
受け入れられなくてもいい
残された方も辛いことだって分かってる
だからせめて、もう否定しないであげて