「神様はいるんだよ!!」
「何言ってんの?いる訳ないじゃん!」
神様はいる。
だって見たことあるもん。話したことあるもん。
3年前、私が10歳の誕生日の夜に現れて言った。
「10歳おめでとう。お前は神に選ばれし者だ。
君は今までいい事をしてきた。だからこれからはいい事が起こる。」
「これからでもいい事をすると、その内返ってくるぞ!逆に、わるい事をすると、わるい事が返ってくるから、注意するんだぞ。」
そう、言ったんだよ。
まだ、無いけど。その内来るよね?
みんなに神様のいる事を教えながら待ってる。
ずっとずーっと。
「俺、退院したら星空を寝ながら見たいな」
重い病気にかかり入院してる友達、健斗が言う。
「そうだな、退院したら絶対に見に行こうな」
「楽しみだな〜」
お前は知らない。
余命が後3ヶ月という事を。
きっとこれを知ったらお前は悲しむのかな。
泣くのかな。お前はいつも予想外の事をするからな。
言われた時の事が想像出来ない。
3日後ー
「なぁ」 「何?」
「俺って、余命後3ヶ月なんだろ?」
「なんで…?」
「母さんから知らされたんだ。」
「っ!………。お、お前はどう思うんだ?」
「………。」
「星、見たかったなぁ」
「えっと、と、とりあえず言ってみたら?」
「言ったよ。駄目だって…」
3ヶ月後ー
アイツは余命宣告の通り亡くなった。
「………。あ、星めっちゃある」
「……。よし、見に行こうぜ!」
「綺麗だな。」
…………。
「ま、返事なんかする訳ないか。」
「本当。綺麗だな〜!あ、アレがオリオン座⁉︎」
「え?」
「え、えっと、え?健斗⁉︎」
…………。
「………。あぁ、あれがオリオン座だな。砂時計みたいだ。」
俺は言う。
お前は何も言わない。けど、
「本当!砂時計みたいだな!」
そう聞こえた様な気がした。
この時期に咲く花が咲いた。
大きくて、透き通る様な白色の花びら。
私はこれを摘んで病院へ行く。
「大丈夫?調子はどう?」私は聞く。
「あぁ、大丈夫だよ。いつもありがとう。やっぱり優しいね。そういうところが本当に大好きなんだ。」
彼が答える。
「もう…。」と私は照れながら花を花瓶に入れる。
「この花、花びら大きいね〜」
「そうでしょう?ゼラニウムっていうの。」
「これはあなたの為に選んだの。」
「へぇ、嬉しいな」
「ふふ」
あなたは気付いてない。私があなたの秘密を知っている事を。
私はあなたの愛を信じないー。