「俺、退院したら星空を寝ながら見たいな」
重い病気にかかり入院してる友達、健斗が言う。
「そうだな、退院したら絶対に見に行こうな」
「楽しみだな〜」
お前は知らない。
余命が後3ヶ月という事を。
きっとこれを知ったらお前は悲しむのかな。
泣くのかな。お前はいつも予想外の事をするからな。
言われた時の事が想像出来ない。
3日後ー
「なぁ」 「何?」
「俺って、余命後3ヶ月なんだろ?」
「なんで…?」
「母さんから知らされたんだ。」
「っ!………。お、お前はどう思うんだ?」
「………。」
「星、見たかったなぁ」
「えっと、と、とりあえず言ってみたら?」
「言ったよ。駄目だって…」
3ヶ月後ー
アイツは余命宣告の通り亡くなった。
「………。あ、星めっちゃある」
「……。よし、見に行こうぜ!」
「綺麗だな。」
…………。
「ま、返事なんかする訳ないか。」
「本当。綺麗だな〜!あ、アレがオリオン座⁉︎」
「え?」
「え、えっと、え?健斗⁉︎」
…………。
「………。あぁ、あれがオリオン座だな。砂時計みたいだ。」
俺は言う。
お前は何も言わない。けど、
「本当!砂時計みたいだな!」
そう聞こえた様な気がした。
7/24/2022, 11:12:01 AM