一年後
僕は、何をしているんだろう
一年後…僕は学校に行けるようになっているかな
元気になってるといいな。
まだこの作品が好きかな?
まだあのキャラクターが好きかな?
ギターは弾けるようになってるかな?
英語は上達してるかな?
周りには誰がいるかな
絵は上達してるかな
まさか死にたいなんて、まだ思っていたりして
子供の頃は
毎日、「幸せ」だった。
あれもこれも全部、幸せだった。あの頃は、知らなかったけど。
毎朝起きると、お母さんが朝ご飯を作ってくれていた。
たまにケンカもして、その度に謝罪のお手紙を書いて、仲直りした。
お母さんと一緒に金魚を育てたり、絵を描いたり。
毎日一緒に寝ていた。
子供の頃はお母さんが生きていた。
そして子供の頃に消えた。
毎日毎日、子供の頃に戻りたいと泣き喚いている。
あの頃に戻って、もう一度やり直したい。
子供の頃見ていたカラフルな世界、あの匂い、あの景色。
僕はまだ子供だ。お母さんが消えてから数年しか経っていない。
僕はまだまだ、子供でいられたはず。子供だけが見るあの世界を、まだ見れたはずなのに…
神様へ
いつも、私を守ってくれてありがとうございます。
神様、どうして私のお母さんを連れて行ってしまったんですか?
私の今の人生を、知っていたんですか?
こうなることを知っていたんですか?
それとも、まだ私には続く未来があるんですか?
神様、私から大切な人をもう奪わないでください。
星空の下で
膝に頭を預け、横になり彼らは星空を見上げていた。
あたり一面は静寂に包まれ、涼しい風が吹く
「あー、帰りたくない」
こんな夜遅くに帰ったら、間違いなくあの人は怒る。
「なー」
彼は呆然と星空を見上げて言う。
「地球は綺麗だな」
星空なら飽きるほど見てきた。だがこの地球から見上げる星空は格別だ。
草木に囲まれ、心地良い風に撫でられ、静かに虫が鳴く。
うーん、もう少しくらい大丈夫だろう。
バカみたい
僕は人が怖い。
歩いて2分もかからない、大通りに面したコンビニがある。でも僕は人が怖い。
わざわざ歩いて15分のコンビニへ行く。バカみたい。
僕は学校に行かない。
最後の日に一人だけ誰もいない教室に行った。
虚しくてバカみたい。
僕は決して叶う筈のないことを願い続ける。
死んだ人が帰ってくるはずがない。
生き遅れて、過去にばかり執着して、みんなが当たり前にわかることがわからない。本当にバカみたい。