あけた。年が。
今年の4月から高校生になる。怖い。
でも楽しみな自分もいる。
誰かの一番星になりたい。
もう少しで年越し。
私は12月31日の夜になると鳴る鐘の音が結構好きだが、
愛犬はいつもあの音にビビっている。
その様子を見れるのも私が鐘の音が好きな理由の1つだ。
やばいやばいやばいやばい。じいちゃんがじいちゃんが
死んじゃう早く早く早く早く。もっと早く走れ
もっと早く足を動かさなければ。じいちゃんの最後に
立ち会えない。じいちゃんが生きてるうちに最後に
じいちゃんに触れたい。じいちゃんはいつもバカな俺に
優しくしてくれた。親からも周りからも呆れられている
俺に、じいちゃんはいつもいつも優しくしてくれた。
じいちゃんの温かい手が大好きだった。
だから今日はじいちゃんの手を温める番だ。
病院が見えてきた。じいちゃんお願い生きててくれ...!
「〇〇号室の五十嵐剛はどこですか?!」
俺がそう言うと看護師さんは走って案内してくれた。
「じいちゃん!!」
俺がそう大声で言うと、じいちゃんはこっちを向いて
少し微笑んでくれた。母と父はじいちゃんの傍で静かに
泣いている。
「じいちゃん大丈夫?俺に伝え忘れたことない...?」
駄目だ。俺も涙が溢れ出してくる。言葉を続かせるのが
やっとなぐらいだ。
「伝え忘れたことは無い...だが、最後に手を握ってくれないか?」
そう言うとじいちゃんは手を差し出してきた。
「もちろんだよ...」
じいちゃんの手は少し冷たかった。俺が精一杯温めた。
「はっはっはっお前も立派な男になったな...
温かいよ...ありがとな...」
じいちゃんはそう言うとゆっくりと目を閉じた。
「じいちゃん!!!!」
母は声を出して泣いて、俺と父は声を我慢しながら
泣いている。じいちゃんをもっと色んなとこに
連れて行ってあげたかった。もっとじいちゃんと
話したかった。
じいちゃん、元気でね。
頭が痛い。一体どのくらい眠らされたのだろう。
身体が動かない。縄で浮輪に自分が縛られている。
目の前には、何メートルぐらいあるのかすら
分からない程に下に長く続く滝が断末魔のように
大きい音を鳴らしていた。
あと数分で自分はその長く続く滝の下に行くのだろう。
自然と死ぬのが怖くなかった。
私は虐められていた。
死んだら楽になる。あっちも「私が死んだら清々する」
ぐらいに思っているのだろう。なんなら私を
ここまで連れて来たのもアイツらなのかもしれない。
望んでいるんだ。私が死ぬのを。
死んだらもう、あの地獄のような毎日を
送らなくてもいい。学校に行くだけで死ねって
言われて、お弁当の中に虫や埃を入れられ、便器の中に
顔を突っ込まれて、香水を頭からかけられて、
死んだらもう、あんな事をあんな気持ちに
ならなくていい。なんて楽なんだ。嬉しい。
楽しみなぐらいだ。でも、手が震えてる。
血の気が引いて、手が冷たい。涙が出る。本当は怖い。
でも、死にたいのは本心だ。私にも仲がいい人が1人いた
その人と最後に喋りたかったかな...会いたかったな...。