君の透明な言葉は
いくつもの層となって重なって
涼やかな音色を奏でる
どこまでも広がるハーモニーが
優しくこの身を包み込む
悲しい音
うつくしい音
軽やかで重厚な音色
たくさんの音のひとつひとつが
ふたたび言葉となって
物語をつむぎだす
きみの奏でるものがたりは
やがて音楽となり、そして
【君の奏でる…】
【 麦わら帽子 】
潮のかおり。
気がつくと僕は見知らぬ海岸にいた。
寄せては返す波の音を聞きながら考える。
ここはどこだろう。
知らない海岸。だけど確かに知っている。
強い風が吹き、飛ばされた帽子を追いかけ僕は走る。慣れないビーチサンダルのせいで転んでしまう。
慣れないビーチサンダル?
ビーチサンダルなどもう何年も履いていない。
転がる麦わら帽子を拾い上げ、思い出す。
ここは僕が失くした記憶。
赤いリボンが巻かれた子供用の小さな帽子。
僕は確かに知っている。
この帽子の持ち主を。
ふと、記憶がとめどなくあふれだす。
ヒト夏の思い出。
日焼けたはにかんだ笑顔のあの子。
うだる暑さと風鈴の音。
扇風機とスイカと宿題と、夏祭り。
夜空に打ち上げられる花火と高揚していく心。
いつも隣にいた顔のないあの子の顔。
夏の終わりに海に消えた麦わら帽子。
もう逢うことのできない麦わら帽子。
僕はもう一度その懐かしい麦わら帽子を目に焼き付けて、力強く風に飛ばす。
帽子は風に舞い上がり、ゆっくりと海に落ちていく。
やがて帽子は波にさらわれ、しばらくゆらゆらと揺れていたがやがて沖に流され消えていく。
「 さようなら。」
僕は呟く。あの時、伝えられなかった言葉を。
夕日の浜辺はただ波が寄せては返すだけで、何も答えてはくれない。
僕はまた歩きだす。
きっと今度は忘れない。
あの麦わら帽子の赤いリボンを。
【 終 点 】
さて、突然ですが皆さんは
“ 進化は終わらない ”
というアプリをご存知だろうか?
私も最近知ったこのアプリは地球の誕生から人類の歩みを追体験するというもので、これがなかなかどうして実に面白い。
進化の過程がマインドマップのように繋がって大きなツリーを作っていくのだ。
原始の海に発生した小さな細胞がクラゲになり魚になり分岐して恐竜やネズミになりサルになる。
少しずつ、進化は多岐にわたり様々な生き物が生まれ、やがて人類が誕生する。
文明が生まれたあたりから進化が加速して文字を覚え宗教、戦争、ガレオン船。
産業革命あたりから不穏な空気になりはじめ
核の時代を迎えやがて情報時代に。
そして私達の時代を飛び越えて未来へ進みます。
クローン。サイボーグ。火星のテラフォーミング。SFのような世界は幸せなのでしょうか。
だいたいそのあたりでリセットして、また地球誕生からやり直します。
さて、このゲームのシミュレーションでは人類は火星にまで到達できたけれども、現実の私達はどこまで進化できるだろう?
この地球という名の物語の終点は?
ハッピーエンドかバッドエンドか。
できれば現在よりもその先へ行きたい。
未来は今よりも良いものでありたい
そのためにも、ヒトの心や精神がもう少し進化する必要があるのかな、なんてことを考えた。
ところで、先ほど紹介した“ 進化は終わらない ”というゲームは実在します。とても面白いので興味ある人はやってみるといいかも。
ちょっとオススメ。
【上手くいかなくたっていい】
書くことが好きだからこのアプリを始めた
始めは本当にそれだけだった
お題をみて、連想ゲームみたいに単語を並べて
パズルのように文章を組み立てていく
それが本当に楽しかった
他の人の投稿を読むうちに
わたしももっと
上手く書きたいという欲がうまれた
欲がうまれたとたんに
書けなくなった
どうしても比べてしまう
匿名の才能に嫉妬したとき
お題をみてもときめかなくなった
それは自分の才能のなさと
否応なしに向き合う作業だからだ
ただ書けばいいのだ
自分のために
上手くいかなくたっていい
それがどんなに難しいことか
上手くなくたっていい
自分が楽しんでいるのなら
下手でも自分が楽しければ
言葉に遊べ
純粋に、愚直に素直に自分の世界を現せば
たぶん、きっとそれでいい。
【蝶よ、花よ】
蝶よ花よと育てられ
そのまま大人になった苦しさよ
ドクダミのようにしたたかに
強く役立つ人になろうと思う