NoName

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7/10/2024, 10:47:22 AM

【目が覚めると】

あなたの顔がピクセル化されモザイクになって弾けて消えた
今日の夢は最低だった
別れの追体験は
何度繰り返しても慣れるということはなく
わたし心を闇に蝕む
記憶にない経験
見たことのない知っている景色
あれは誰の目でみた世界なのか
誰の脳が処理した情報なのだろうか
わたしの心に刻み込まれて消えない刺は
また悪夢となって繰り返す
いつもなら望まない目覚め
今日だけは朝の光に救われた





【目が覚めると】

ずっと夢を見ていた
光の射さない深海で奇妙な魚と戯れ
月の裏側でウサギたちと餅をつく
月の顔に刺さったロケット
そこからでてきた
天文学者たちとおしゃべりをして
今は滅んだ地球の思い出に浸っていた
ウサギがついた餅を食べながらずっと

そして朝が来る
地球はかろうじて滅んでいない
眠い目を擦り伸びをする
珈琲の香り
目玉焼きのじゅうじゅうという音
テレビの天気予報に気をとられた僕は
気がつかない
かすかに透明な深海の魚が
目の前を横切ったことに
月のウサギや小さな天文学者が
マグの影に隠れたことに

カーテンをあける
まぶしい光が部屋を満たす
完全に消えてしまった
明け方の夢の残滓

7/9/2024, 10:23:45 AM

【私の当たり前】

特別じゃないわたしの日常
ありふれた昨日
あふれかえるたくさんの普通
たくさんの普通をレンガのように
積み重ねて並べて道をつくる

黄色いカラス 赤い草原
透明な本棚には燃える本が並ぶ
ありふれた日常
蝉時雨が聴こえる
明日は雪が降るらしい
空をみると今日も元気に泳ぐ金魚
たくさんの普通をレンガに変える

みんなが通る道
わたしだけの道
未知なる未来が広がってる
当たり前の明日
続く道、続く道
誰かの歌に 悲鳴に
ステップを踏みながら
明日も行く道
それがわたしの当たり前
まるで悪夢のようで幸福な道程

7/8/2024, 10:18:49 AM

【街の灯り】

今日もまたぽつりぽつりと黄昏どき
灯りの数だけ人生があり
人を照らしながら砂時計がさらさらと
また一日が終わる
部屋の中のスポットライト照らすのは
悲しみ、怒り、よろこび、絶望
このプライベートな空間で紡がれる物語は喜劇
砂時計がさらさらさらさら
街の灯りが照らしてる
光に追われて逃げ出した闇は
人の心のなかに、居場所をみつけた


7/7/2024, 10:26:12 AM

【七夕】

短冊に願いをたくす
 「明日もまた書けますように」


天の川のなくなった夜空から
アルタイルもベガも消えてしまった
夜の光があふれる地上では
行き場の無くした願いたちが今年も
笹の葉さらさらと
風に揺れている

7/6/2024, 10:25:57 AM

【友だちの思い出】
 
音のないセピア色の記憶

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