『ジャングルジム』
昔の私は何故か
ブランコは怖がるくせに
ジャングルジムには平気で一番上まで上がれる
自分の足や手が血だらけになっても
足にガビョウが刺さってても遊び続けるのに
他人が少しでも怪我をして血が出ていたら叫んで怪我をしていた人よりも痛がる様な人だった
…らしい
『時間よ止まれ』
そう思う時は生きてる中で沢山あった
例えば——
《あれ?もう写ってる??》
《マジか、じゃあ話すかー》
学校の宿題をやり忘れた時や
みんなの前で思いっきり転んだときとか
《俺たちが初めて会ったときはさ——-》
めちゃくちゃ恥ずかしかったけど、時間が止まればいいなんて、出来もしない事を考えた事なんて無かったんだ
なのに
君はいつも何かに失敗した時や嬉しい時は
『時間よ止まれ!』
なんて言ってたね
《—でさ、うーん、いざ考えると難しいね…》
その時はなぜそんな非現実的な事を思うんだろうって思ってたさ、なのに今は—-
《あ!お前と初めてケンカした時!》
《いやーお互いが初めての友達だったじゃん?》
《だから、お互い謝り方とか分からなくてさー》
《————-って事があってやっと仲直りできたよなぁ》
《でさ、そん時に変だけど》
《いやーこのまま》
《時間が止まればいいのに》
「時間が戻れば良いのに」
なんて、出来もしないと分かって居ながら願ってしまう位には、
《なんて思ったりしたわー》
「君の事が好きだったよ」
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《》→ 動画の中の友達の声
「」→ その動画を見ている人の声
夜景といえば
ホテルの最上階から見る景色だったり
マンションの最上階とかだよね?
…でも知ってる?
その綺麗な建物の照明は夜遅くまで働いている大人(社畜)が日々作っているんだよ??
怖いよね〜
———将来の自分を見てるみたいで
だからさ、今の内にこの景色を楽しんで、いっぱい遊ぼうよ
葬式が終わり、外に出た
見上げた空はここに居る皆んなの想いとは裏腹に
雲のひとつもない、澄み渡る様な快晴
「あの子はこんなに早く死んで良い子じゃ無かったのに…」
"アイツ"の親戚らしき人は泣きながら言う
そうなのかな、よく分からない
だって悲しいなんて、思ってないから
もう二度と逢えないのにね、なんでだろ
"親友"の死を悲しめないなんて、残酷よね
…なんて、他人事
私って随分冷たい性格をしていたらしい、知らなかったなぁ
こんな事を考えてる間にも"親友"との時間は減っていく
「おーい!そろそろお焚き上げされるぞ!」
あぁ、ほら
もうそんな時間
最期にもう一回会っておこうかな
そう思って空を見上げたら、澄み渡る様な空がまるで水の中で目を開けた時みたいにゆらゆら、キラキラ
さっきとは違うけど随分綺麗だなぁ、
なんか空が泣きそうになってるみたいじゃない?
そう、だから
頬を流れる水は空が泣いたせいだから、勘違いしないでよ
ね、"親友"