冬への扉を探すピート

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2/12/2024, 12:50:57 PM

間違えた、と思った。
瞬時に強張ったあの子の表情が目に飛び込んてきて。
違う、違う、言いたかったのは、伝えたかったのはそういうことじゃない。
けれど、もう遅い。
時は誰にとっても平等に不可逆だ。一度形になった言葉はもう取り戻せない。

「ごめん…。そういう意味じゃなくて」

言い終わる前に、あの子が言う。

「何が?全然、気にしてないよ!大丈夫!」

大丈夫じゃないことくらい、どれだけ鈍くたって分かる。けど、それはこの上ない拒絶の言葉。
もう、踏み込ませないという意思表示。

僕は何も言えなくなる。
自分の至らなさに吐きそうだ。何度繰り返したら終わるんだろう。

神さま、僕の悪癖をどうか消し去ってください。
柄でもない神頼み。

#伝えたい

2/11/2024, 2:38:34 PM

例えば燃えるような夕焼け空。
例えば萎れて散った一輪挿しのガーベラ。
例えば永遠に続くかのように錯覚する踏切の警告音。

ひどく哀しくなる瞬間が日常生活の中に何度もある。
そんな時、私は自分がどうしようもなく独りぼっちだと感じる。
東京にはこんなに人が沢山いるのに、私はどこまでも孤独だ。

「なんか、寂しいな」

会社帰りに何気なく寄ったコンビニの駐車場で、缶コーヒーを飲みながら、その人は言った。
その瞳は、私と同じ哀しさをたたえた静けさに満ちていて。

きっと、私だけじゃないんだ。
あの人も。この人も。
それなら、もう少しやっていけるかもしれないって、そう思ったんだ。