例えば燃えるような夕焼け空。
例えば萎れて散った一輪挿しのガーベラ。
例えば永遠に続くかのように錯覚する踏切の警告音。
ひどく哀しくなる瞬間が日常生活の中に何度もある。
そんな時、私は自分がどうしようもなく独りぼっちだと感じる。
東京にはこんなに人が沢山いるのに、私はどこまでも孤独だ。
「なんか、寂しいな」
会社帰りに何気なく寄ったコンビニの駐車場で、缶コーヒーを飲みながら、その人は言った。
その瞳は、私と同じ哀しさをたたえた静けさに満ちていて。
きっと、私だけじゃないんだ。
あの人も。この人も。
それなら、もう少しやっていけるかもしれないって、そう思ったんだ。
2/11/2024, 2:38:34 PM