木皿

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8/21/2022, 10:01:03 AM

 自由に羽ばたく鳥になりたいって

8/20/2022, 12:45:06 PM

 貴方は知っていますか?わたしがどんなに貴方を愛していたか、知らないかもしれませんね。今貴方のみている景色には私はきっといないでしょう、それは仕方ないことなのです。

貴方の記憶から私が消えたあの日に、決めたことがあります。それは貴方の幸せを願うために貴方の目の前から完全に消えることです。私は貴方にとって最低な存在でした。でも、私にとって貴方はかけがえのない宝物でした。それだけは確かです。でも、私は貴方から離れて、貴方の幸せだけを祈ることに決めたのです

さよならの前に、手紙を書きました。これを貴方にとって一番の理解者になる方に渡しました。そして、この手紙は貴方が幸せになるその瞬間に破り捨ててほしいとお願いしました。それで貴方が幸せになった合図としたかったのです。だから貴方は読まないでしょう、でもどうしても、書いておきたかった

どうか、どうか、貴方が幸せであるように.......


×××××××××

「お父さん、この手紙って」
「あぁ、実のお母さんが書いたものだ」
「実のお母さんの手紙?」
「..........すまんな、憂妃」
私が嫁いでから、一ヶ月。お父さんはある手紙を私にみせた。それは私の産みの親である母の手紙
「お前は事故で一部の記憶を失ったんだ。その事故はお前の本当の父親が起こしてしまったんだ。そのせいでお前の母親である姉さんは足を失ったんだ。お前は両親の記憶を失った。姉さんは俺に憂妃を頼むと伝えて、手紙と憂妃を俺達に託して、自殺した」
「..........本当のお母さんが?」
「あぁ、お前の本当の父は事故死でな。姉さんはあの人を本当に愛していた。でも、それ以上に憂妃、お前を愛していた。だから、俺達にお前を託したんだ」
「..........そんなこと、今さら言われたって」
「あぁ、本当はずっと言わないつもりだった。でも、写真がでてきてな。手紙も破れなかった。だからお前に託すよ」
私の手にその手紙を渡されて、正直どうしたらいいかわからなかった。私の本当の母の手紙、それを読んだら涙が止まらなくなった。記憶にないはずなのに、なぜかとても辛くて温かくてどうしたらいいかわからなかった
「憂妃?」
「学さん、ごめんなさい」
「ううん、話はきいたから、手紙よんでもいい?」
私の夫である、学さんに手紙をみせると学さんは
「勝手だよね、死んじゃうなんて。でも愛情が深いや」
「学さん、私ね。この手紙を破ろうと思うの」
「いいのかい?」
「うん、幸せだって産みのお母さんに伝えなきゃね。それが弔いになるだろうし、それに育ててくれた両親にはこれから恩返ししなきゃだし」
「君が決めたならそれでいいよ」
そういわれて、私はそれを静かに破り、そして燃やした。その煙が天まで上ればいいとおもう。
───────さよならの前に先に言わせてね

ありがとう、私を産んでくれて。そして、バカやろう!!忘れたくらいで、私を諦めないでよ!!一緒に生きてほしかったよ!!でも、私は今幸せです!

「さよなら、お母さん」

終わり

8/15/2022, 10:15:23 AM

 朝と違って、夜の海は怖い雰囲気だ。そんな夜の海で失った恋人のことを俺は考える。とても、とても大切な俺の恋人だった。夜の世界で出会った彼奴は誰よりも輝いていた。

8/13/2022, 1:09:09 PM

 心が壊れていく、心が失くなっていく、これが、私の人生だったのかな?終わりなんて、すぐそこにあって、私はただ、いきると言う行為でさえ、出来なくなっている

ねぇ、神様。私なんで、生まれたの?なんで、私は生きてるの?誰も私なんて愛してくれない、ねぇ、なんで?なんで、私は........
「なにをしてるの!!」
振り返るとそこにいたのは私の........母だった。そう、私を育ててくれた母。本当は伯母にあたる、産んだ母の姉である。育ての母は私をきつく抱き締めた。因みにそれを知ったのは夏休みが始まったばかりの昨日のことだ。衝撃の事実を知らされたのは....

「血は繋がってるわけだけどさ、他人の子をよく育てられますよね、部長って」
それは、母が忘れ物をしてそれを届けにいった帰りきいた話だ。部長、この部署の部長は母だけだ。つまり他人の子とは私のことで........他人の子ってなに?とか、聞きたいことがあったけど、部署の人たちはそれ以上なにもいわなかった。私は駆け足で家に帰った。他人の子、それで家の中を漁った。母が私の実の母じゃないはずなんてないと、だけど、決定的なものがでてきた。戸籍謄本、私の欄に養女とかかれていた。私は絶望した。私は.......母の実の娘ではなかった。心が砕けていく、そういえば母は仕事人間だったからお金はかなり余裕があった。ベビーシッターやお手伝いさんとさやとってた。そういえば、イベントとか一緒に過ごしたことあったっけ?誕生日、そういえば、祝ったこと、あったっけ?中学生で、こんなこと考えるのもおかしいけど、私愛されてなかった?母にとって私は邪魔な存在?そう考え始めたら、もう、辛すぎて........手にカミソリをもって腕を切ってた。私は誰からも愛されない。本当のことも話してもらえない、私は......
「愛されてなかったんだ......」
このまま眠れば死ねるかなとか思ってたら、母が帰ってきてて、冒頭にもどるわけで.........

 私は病院で手当てを受けていた。その先生とは別の先生が入ってきた。ちなみに男の人である。
「お嬢さん、少しお話しませんか?」
「先生と?」
「そうだ、先生はいろんな話を聞いて回ってる、お嬢さんの学校には心理カウンセラーの先生がいると思うんだけど、先生はそれに近い。一応は医者だけどね」
「.............精神科の先生ですか?」
「まぁ、そこまで言っちゃうとわかっちゃうよね。いやぁ、難しいな」
「.......私、どこかの施設にいれられるんですかね?その方が母のためにもなるかもしれないし」
「君は、優しいんだね。だから実の母でないことが辛かったんだね」
「母からきいたんですか?」
「一応守秘義務があるからあれなんだけど、そういう子達は沢山みてきた。でも君みたいに優しいこは中々いなかったよ」
「優しくなんて.......」
「君は手当てが終わって僕と話が終わったら家に帰るよ、それは君のお母さんも望んでる」
「でも、それは世間体とか」
「多分違うよ、目をみたら大抵わかる、君を本当に大切に思ってるよ」
「じゃあ、なんでなんで隠してたんですか!!私が養女だって!世間体とか、そういうせいじゃないなら、なんで、イベント事も一緒にしてくれないんですか!!」
「そのこと、お母さんに伝えた?」
「いえませんでした」
「一度話してみるといい、それで耐えられないなら僕に電話して?迎えにいって、君が成人するまでの住居も手配しよう」
そういわれて、名刺を受け取った。

*********

 母と家に帰ると、そっと置かれたのはカフェラテ
「少し話をしないといけないわね」
母が置くから持ってきた戸籍謄本(実際はコピー)をだしておいた。ここから私たちの本当の関係を知らされた。母は実の母の姉にあたる、つまり叔母であるということ

私の本当の両親は事故でなくなった。私はまだ生まれたばかりで育ての母はキャリアウーマンで仕事をバリバリしていた。本当なら施設にいくはずだった私、みんな私なんて引き取りたくなかったのだ。でも、彼女だけは私を見捨てなかった。叔母の両親も実父の両親も顕在しているらしいが、私を引き取ることで喧嘩してから一度もあってないらしい

「なんで、話してくれなかったの?」
「貴方が成人してから話すつもりだった、仕事上上司も部下もみんな私の家族のことは知ってたの。話さなかったこと、本当にごめんなさい」
「イベント事も、なにもしなかったのは?」
「それはやり方がわからなくて」
「祝われたことなかったの?」
「ないわね、ただ、プレゼントは妹や友達からもらったりしてたけど。運動会とかは、なぜかいつも変な依頼が入ってたのよね。それについてはあとで別に話をしないとだけど」
そういえば、プレゼントだけは毎年あったな。ただ、チョイスがあれなのもあったさ、今思い出したら笑えるものがたくさんある

「今からでも遅くないかしら?誕生日もクリスマスも貴方と過ごしたい」
「........遅くないよ、私も突発的にこんなことして、ごめん」

そういって、私はお母さんにだきついた。

*******

「お母さん!!ここなんか高いよ!」
「いいのいいの、今までお祝い事なんてしてこなかったんだから派手にいきましょう!あ、あと体育祭も見に行くからね」
お母さんはあの日から、お祝い事を盛大にすると決めたらしく、それについて色々調べるようになったようだ。因みに私に偶然とはいえ、話していた社員やみんなに注意したようだ。なんだか悪いことしたななんて、思ってたのにお母さんが私について、しっかり私の愛娘と仕事場で紹介されたので、ちょっと恥ずかしい。だけど、心があの日を思い出してしまうから、たまにあの先生に、心の健康を保ってもらってる
「はやくはやく、おいてくよ!」
「まってよ、お母さん」
これからも、少しずつ、進んでいく、心の幸せのために

〈心の健康〉終わり

8/12/2022, 1:15:57 PM

 なんだか、疲れたなと思いながら、どこかのベンチに缶コーヒー片手に座り込んだ。なんだか、やる気がなくて、でもすぐに家に帰る気分でもなくてただただ、ボーっとしてた。でも、なんか、寂しくなったりして、ふと、スマホで動画配信なんて、みたりしてた。その中に現れたのは、一人の女性で、その女性はピアノを奏でながら、歌を歌っていた

 よくある歌ってみた動画ではなく、自作した音楽のようだった。透き通る歌声とピアノ演奏で、よくわからないが、私はただ、ただ涙していた。
 こんな世の中で自由を失くしている日々、自分は何のために働き、何のために生きているのか、わからなくなっていた。私はもう、この世からいなくなろうとかそんなことまでは考えてはなかったが、それでもどうしようもなくなることだってあるし、生きるのがしんどくなることだってありまくりで、でも、死ぬなんてできなくて、私は生きてる。心を何度も死なせなから生きてる。泣くこともない日々をただひたすらいきてる。
 この動画配信のところには名前なんてなくて、あるのは彼女の、奏でる音楽と歌だけ。それをきいて、私は泣いている。どうしようもなく、泣いている。回りに誰もいないかとか気にしないようにないていた。その歌は、私に語りかけるように紡いでいた

ーーーあれからいくつかの日々をこえた。私は今、こうして、パソコンの前にすわり、考えている。その時、ラジオから流れた歌に懐かしさを感じた。あぁ、この歌はとともに、私はキーボードをたたいた


〈君の奏でる音楽〉 

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