木皿

Open App

 なんだか、疲れたなと思いながら、どこかのベンチに缶コーヒー片手に座り込んだ。なんだか、やる気がなくて、でもすぐに家に帰る気分でもなくてただただ、ボーっとしてた。でも、なんか、寂しくなったりして、ふと、スマホで動画配信なんて、みたりしてた。その中に現れたのは、一人の女性で、その女性はピアノを奏でながら、歌を歌っていた

 よくある歌ってみた動画ではなく、自作した音楽のようだった。透き通る歌声とピアノ演奏で、よくわからないが、私はただ、ただ涙していた。
 こんな世の中で自由を失くしている日々、自分は何のために働き、何のために生きているのか、わからなくなっていた。私はもう、この世からいなくなろうとかそんなことまでは考えてはなかったが、それでもどうしようもなくなることだってあるし、生きるのがしんどくなることだってありまくりで、でも、死ぬなんてできなくて、私は生きてる。心を何度も死なせなから生きてる。泣くこともない日々をただひたすらいきてる。
 この動画配信のところには名前なんてなくて、あるのは彼女の、奏でる音楽と歌だけ。それをきいて、私は泣いている。どうしようもなく、泣いている。回りに誰もいないかとか気にしないようにないていた。その歌は、私に語りかけるように紡いでいた

ーーーあれからいくつかの日々をこえた。私は今、こうして、パソコンの前にすわり、考えている。その時、ラジオから流れた歌に懐かしさを感じた。あぁ、この歌はとともに、私はキーボードをたたいた


〈君の奏でる音楽〉 

8/12/2022, 1:15:57 PM