内側をさらすのは恵まれているので、怖い。もらったぶんだけ返せてなんかいない。当たり前はちょっと乱暴なキーワードかもしれない。このくらいはね。って思い込みが塊になっている。
この頃は陽がさしたら目が覚めるようになった。っていうのはとっても大切なトピックだ。なにかが人生に入り込んでこれまでの4割くらい食べていっちゃったみたいだ。それがわたしの完成でも。
このくらいは当たり前…当たり前だよねぇ、ってできない側として生きてきたけれども、幾度となく言う側の立場にもたぶん立ってきたんだろうな。怖い。怖いな。世界があって他者が存在してたらどうしよう。クーリングオフはできませんよ。
つらい話ばかりで耳を塞ぎたくなる。手元に落ちる言葉がどれだけ優しくても。かなしい思いをする人がたくさんいるんだからあんまり当たり前に恵まれてることはばれたくないな。前向きに生きたらいいのに。っても思うけれど。
熱帯雨林の中に閉ざされた文明の中には、時間の概念がないところもあるらしいよ?向こう側に向かっていく、向こう側からやってくる、その動きの中に時間を気付かせる材料があるみたいだよ。
街路には電灯が連なっている。ぽつ、ぽつ、って、このひとつひとつがたぶん時間の概念になる。その下を通り過ぎるときのあなたは今のあなたと違うんだよ。それで、折り返したって家には帰れない。うん。帰れない道。
この道の先にどんな未来が待っていて、どんなふうに砂は落ちていくんだろうね?ひっくり返してもう一回ってやれないのは人間だから、なのかもしれない。
「ずっと一緒にいてください!」
そうと決まったら、たとえばここに現れるユニコーンを捕まえて、その角を売ったお金をふたりの将来のために貯めておこうね!そうでないと今更取り返しのつくものもつかないし、あなたの目が2つも揃ってるからなのか、ずっとずうっと生きてて恥ずかしいよ。
この道をこのあたりまできたけど、一体踏み外していないのかな?この世界には最後まで食べるものはたくさんあるのかな。飢えてるひとがいるくせに、まだ、きれいな心で生きたい。願いといっしょのベッドで眠ると狭い。
「いいよ。」
……っ、て、決めたのに。言ったのに。たぶんいつかしたらどうせどっかにいくんでしょう。それで、そうじゃないと不幸だっていうんでしょう。ゆめを見ているひとってひどいね。ずっと本気は決めるものだったし、そんなふうに運命なんてあるから簡単にカードは裏返ってしまう。
理想のあなたへ。みとめることと、ゆるすことは違っているみたいです。若さが過ちをのこすこと、黙っているけど忘れてないようです。このまんま隣にいると、きっといつかはがおー、って…ね、鬼になっちゃうぞ。
はじまってたんだと思うけど気付けないことが星の数より多いからさ、いのちのはじまりから世界のおわりまで誰もちゃんとわからないままだ。静かに消えていく無数の残骸が夜空に瞬いている。今日も星が綺麗だね。
おわかれは言葉にするより早いけど、ほころびは本当は結構長くあったのかなあ。痛みを分け合って微笑みあう生活は、冗長な尺伸ばしの7話目みたいだ。止まっている針を一分ずつ動かして誤魔化していた。このままどこかにいって、帰ってこないでよね。
突然だったならそれが一番いいでしょう。さよならの言い方を考えるのは難しいじゃないか。「月が綺麗ですね」…みたいなことで伝わるんだろうか、って決めきれないよ。それは星がまたひとつ落ちる間に。
(くらくなったら電気をつけるように。)
人々からくらやみを奪った怪物の腕の中に抱かれている。優しい化け物の声が聞こえなくなることは死にほど近い生命だ。文明に寄生して永らえている。
(電気を忘れずに消して眠ってくださいね!)
わたしたちを嫌う本能が呻いた。守られることに怯えながら地平線までなんでも暴いて、都市に怪物を敷き詰めながらまた眠れる夜を祈った。
真夜中の怪物は、慎重がすぎるほどやさしい手付きで命を覆った…やさしさは有限で、与え続けていられない恐怖があったりして…_、世界が無数の悪意を失うように。